自分の想像を超えるから、将来はあまり考えない
――主演を任されるようになり、オファーもたくさんあるかと思います。俳優業は今後もずっと続けていきたい道ですか?
もちろん、はい。特に(オファーが)増えてはいないんですが……(笑)、好きということに変わりはないので、お話をいただいてタイミングが合えばぜひチャレンジしたいです。
――「ぜひ、来て!」と思う役どころは?
今のうちにアクションをやっておきたい、という願望はあります。身体を動かすことが自分は得意だと思うので、最大限生かせるうちに。やっぱり年齢もあると思いますし、そこは変わらずチャレンジしたいですね。
――仲良しの皆さんと、映画や作品の情報交換をすることもありますか?
映画トークしますね、よく! 飯を食っているときに「あれがよかったよ」とか「俺はこれが好きだった」とか。そういう風に、ああでもない・こうでもないと話しているのは、めっちゃ楽しいですよね! もともとはそれが好きだったなあ……。映画ももちろん好きだけど、その後にみんなで話すのが好きだったから、そういう「好き」の感情の延長に演じることもあるような気がします。
――演じることについても、皆さんでお話ししますか?
ほぼゼロです。ダンスについても同じで、表現について技術的に語るようなことは本当にないですね。みんなが良かったものを共有し合うことのほうが、会話では圧倒的に多いです。
――ご自身の中で自問自答しているみたいなところがあります?
あー、そうか。みんな、そういうことなんですかね。誰にも話すことはないかもしれないし、後輩から相談とかもないです。……いつも遊んでいるだけです(笑)。
――NAOTOさんといえば、YouTubeチャンネルも人気です。素が垣間見えることも魅力のひとつですが、自分をどこまでさらけ出すかなどは開設前に考えたりもしましたか?
最初は思っていたんですけど、僕の場合は『モニタリング』とかテレビでもさらけ出している部分が多かったので、謎めいている部分のほうが少ないのかな、と(笑)。
――これまでUPした動画の中で、「これはリアクションが良かった!」というものを挙げるなら、どれですか?
もともとYouTubeを始めるきっかけが、三代目の楽曲『Rat-tat-tat』を皆さんに違う形で広めてみたいな、と思ったことでした。「ゲリラタタ」という企画(※『Rat-tat-tat』ダンスを突然誰かに躍らせること)はすごくよく見ていただいて、皆さんの中にも浸透してくれたのかなと思っています。
あとは、僕が自分たち以外の楽曲をオリジナルで踊る「踊ってみた」シリーズも、すごくリアクションをいただきます。これまで、ほかのアーティストの曲で踊ることをしているダンサーがあまりいなかったからか、元の楽曲のファンの方も見てくれたりして。皆さんに楽しんでいただけているので、すごくうれしい。
――充実した毎日を過ごしていらっしゃいますが、この先のキャリアやライフプランなども思い描いていますか?
あまり、していないんですよね。僕がEXILEになったこと、なってからのことを考えると、自分が「こうなりたい」と考えている以上のことが、起きすぎているので。自分の想像を毎回超えていくから、強く「こうなりたい」まではあまり思わなくなりました。「こうなるだろう」とビジョンを持ちすぎていても、もしかして意味ないかな、と途中から思い始めたというか。
――柔軟に現状を受け止め、考えて進んでいるんですね。
そうかもしれません。先のことを予想できても1~2年後かな、みたいな。その1~2年後も、その年の自分の過ごし方によって、さらにその先の3~4年後の景色が変わってくると思うんです。近いところまでを意識しながら、またその次がさらにいい景色になるようにそのときを全力で過ごす。その瞬間に生まれてくるものは見逃さないようにという感覚の連続で、毎日過ごしています。
EXILE NAOTO(ナオト)
1983年8月30日生まれ。埼玉県出身。2007年に二代目J SOUL BROTHERS、2009年にEXILEにパフォーマーとして加入。2010年に三代目J SOUL BROTHERSのリーダーを小林直己と共に兼任。ファッションブランド「STUDIO SEVEN」も設立するなど、パフォーマー以外の活動でも幅広く活動中。
映画『DANCING MARY ダンシング・マリー』
しがない市役所職員の藤本研二(NAOTO)は、解体予定のダンスホールに棲みついたダンサー・マリー(坂東希)の霊から恋人のジョニー(吉村界人)を探してほしいと頼まれる。ひょんなことから出会った霊能力を持つ女子高生・雪子(山田愛奈)と、マリーとジョニーの恋を成就させるために時空を超えて奮闘するヒューマン・コメディ。
出演:NAOTO 山田愛奈 坂東 希 吉村界人 石橋 凌
主題歌:『ひとりじゃないから』Crystal Kay (ユニバーサル ミュージック ⁄ Virgin Music)
監督・脚本・編集:SABU
エグゼクティブプロデューサー:HIRO
2021年11月5日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
https://www.dancing-mary.com/
2021.11.04(木)
文=赤山恭子
撮影=榎本麻美