やったことないことは、すべて可能性でしかない

――歌にしてもルックスにしても、他の誰とも似ていない、カテゴライズできない世界観を持っているところが中島さんの魅力の一つですが、世の中の流れ、変化に惑わされずにいられるのは、根っこに、自分の人生は自分で切り開くという思いがあるからですか?

中島 そこまで明確に意識はしていませんが、人生の決断って、最後の最後は、すべて自分で決めているんだってことは思います。私の長所であり短所は、流行りを知らないことです。流行っているものが自分に似合うとは思わないし、嫌で逆らっているつもりもない。私の中では、古いものと新しいものが混在しているのが普通です。音楽に関してもそう。好きか嫌いかしかわからない。

 スタッフも、「今こういうのがきてるからさ〜」みたいなことをいう人はいないです。いたとしても、私がハテナな顔になっちゃうだけだと思いますけど。

――日常の幸せな時間を教えてください。

中島 普通ですよ。猫と過ごす時間です。複数飼いをしていて、19歳になる猫は腎臓病なんですが、毎朝点滴を打っていて、私にとってその時間はとくに幸せを感じます。今この時間に一緒にいられるという幸せを。

――最後に、この先どんな生き方をしていきたいですか? 

中島 私は歌以外知らないですし、周りにはいろんなお仕事をしている方がいるけれど、世の中にあるたくさんの仕事は、私には関係のないものだと思っていました。でも、最近、やったことないことは、すべて可能性でしかないと思うようになった。歌しか知らないからこれしかできない、じゃなくて。何か新しいことをやってみたら、その仕事の方があっているかもしれない。

 そう考えたら、私には今からでもいろんな可能性があって、逆に、歌うことは苦しいし早く裏方に回りたい気持ちはあるけれど、それも焦らなくてもいいかな、って。誰にとっても可能性なんていくらでもある。大人になるにつれ、そうやって、考え方の幅が広がりました。だからこれからも、いろんな可能性を感じながら生きていきたいです。

中島美嘉(なかしま・みか)

2001年「傷だらけのラブソング」で主演デビュー。歌手デビュー曲となった主題歌の「STARS」はビッグセールスを記録した。「WILL」「雪の華」「GLAMOROUS SKY」など多くのヒット曲を発表し、これまでに9度のNHK紅白歌合戦出場を果たす。歌手以外にも、国内外の映画、ドラマ、ファッションなど多岐に渡り活躍。近年は野外フェスへの出演やアコースティック編成、ロックバンドなど様々なジャンルのライブ活動を精力的に展開。デビュー20周年の今年は、6月から8月まで、全国16都市を回る全国ツアーを開催した。

『SYMPHONIA/知りたいこと、知りたくないこと』

株式会社ディー・エヌ・エー企画、豪華クリエイター陣参加のスマートフォン向けアプリゲーム「takt op.(タクトオーパス)運命は真紅き旋律の街を」の主題歌と同プロジェクトのTVアニメ「takt op.Destiny」エンディングテーマとなる「SYNPHONIA」は多くのテレビアニメ曲を手がけ、自身もアーティストとして活躍する“rionos”提供。テレビ朝日系金曜ナイトドラマ挿入歌「知りたいこと、知りたくないこと」の歌詞は秋元康が担当した。WA-Side シングル。2021年10月27日(水)リリース。

2021.10.28(木)
文=菊地陽子
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=小林潤子(オーガスト)
スタイリスト=松尾明日香