「質問を一言二言で終わらせても、キャラクターとして受け止めてもらえていた」

――しつこいですが、もともとスレンダーなので、5キロ太ったぐらいではそんなにダルマ体型にはならないのでは?

中島 元々私はすごいガリガリ体形で、皆さんそれが普通だと思ってくださっていると思うんです。でも私、本当は太りたかった。それができないのが悩みでした。ただ、太れないんだし、病的に見えなければいいか、とそのままにしてたこともあります。……というのは35歳ぐらいまでで。それを過ぎると、代謝も一気に下がるし、肉のつき方が変わるんですよね。とにかく、私の中で、「これは流石に恥ずかしい」と思って、生まれて初めてのダイエットをしました。

――代謝が落ちてしまったり、若い頃よりは無理が利かなかったりしますが、年齢を重ねることの楽しみを感じることもありますか?

中島 年齢のことは、そこまで気にしてないです。みんなそうだと思うけど、自分が昔想像していたような大人にはなれていないじゃないですか。20代のときは、38歳の人を見るとすごく大人に感じたけれど、私自身はまったく変わっていなくて。もうちょっと気持ちが大人にならなきゃと思っているところです。

 若い頃は、ちょっと尖って見られること、この喋り方でも大人っぽく見られたりして、何か質問されて、一言二言で終わらせても、キャラクターとして受け止めてもらえていたのが、大人になると、「まだそんな喋り方しかできないの?」って見られることがあって。話し方まで変えなきゃいけないのか、という悩みは正直あります。

――でも、今回の「知りたいこと、知りたくないこと」で秋元さんが書かれた歌詞からは、人の内面の成長のようなものを感じます。38歳なりの、内面の表現になっているというか。

中島 秋元さんとは、これまで4回ご一緒させていただいているんですが、昔は、何度も読み込んで解釈していった歌詞もありました。でも、今回はその必要がなくて、「わかった」というのとは違うけれど、歌いながら、「そうだよね」と共感していました。

――30代後半の今だから歌える歌なのかなと思って聴いていました。ところで、中島さんは、生まれ変わっても女性がいいですか?

中島 どっちでもいいです。女性であることに不満はないですが、「女性だからね」って言い方って、ネガティヴなことについてくることが多いじゃないですか。何かができないとき、「あ〜女の子だしね」って。そういうときは面倒くさいけど、事実でもあるし。結局、性別を持ち出されるときは、男でも女でも、言い訳に使われるんだなとしか思わないです。

2021.10.28(木)
文=菊地陽子
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=小林潤子(オーガスト)
スタイリスト=松尾明日香