とことん追求したくなる一途で凝り性な性格

 魅了され続けている俳優の仕事を「人の心を動かすことができるマジシャンみたいな職業」と表現。ただし、多くの人を華麗なマジックにかける一方、自身も「芝居から抜け出せない呪いにかけられている」と聞き捨てならない発言が。

「芝居の神様と契約しちゃった感じです(笑)。これまでには俳優に向いていないなと思う瞬間もありました。だったら辞めればいいじゃんと思われるかもしれないけど、なんか……辞められないんです。一生そこから抜け出せない魔法をかけられたみたい。僕が俳優を辞めるとしたら、それは死ぬときしかないのかもしれません」

 言葉のインパクトの強さとは裏腹に、磯村さんの語り口はいたって穏やか。出演した作品数は昨年から数えただけで21本にもなる、今や超売れっ子だ。時にはあまりの忙しさから余裕がなくなることもあったが、今ではそれもいい人生経験だと捉えられるほど、「精神的に強くなった」と語る。

「自分で意識しているわけではないけれど、知らず知らずのうちに役に影響されていたんだと思います。ドラマ『珈琲いかがでしょう』で“ぺい”を演じていたときに撮ったバラエティ番組『サウナーーーズ 〜磯村勇斗とサウナを愛する男たち〜』では、口調が『〜っす』とか『やべー』とか、ちょっと不良っぽくなってましたから。

 でも今は大河ドラマ『青天を衝け』で将軍(徳川家茂)を演じているので、いたって心は穏やか。マスクの下では常にニコニコしています(笑)」

2021.07.25(日)
Text=Kozue Matsuyama
Photographs=Tomoki Kuwajima
Styling=Ryosuke Saito
Hair & Make-up=Tomokatsu Sato

CREA 2021年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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ちょっとだけアウトドア

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