「大豆田とわ子」で演じた“しんしん”と新たな舞台で演じる役に共通する点とは?

 現在、放送中のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』で、とわ子の3番目の元夫・中村慎森を好演している岡田将生さん。

 放送後には毎度SNSが関連ワードでひしめき合い、ときには「#岡田将生」がトレンド入りするなど、今一度、岡田さんの魅力に日本中がどっぷりハマっている。

 当の本人・岡田さんはと言うと、SNSは一切やらず、盛り上がりについても「うれしいですけど、へえ~、そうなんですか?」と、やんわり、ゆったり。それでも役には抜群の愛情を見せ、ほっこりエピソードも明かしてくれた。

 本年7月からは、主演舞台『物語なき、この世界。』も封切られる。

 舞台では初タッグとなる三浦大輔さんとの共闘は、岡田さんにとって未知のゾーンへの挑戦になるだろうと、自分の可能性に懸ける瞳がきらめいた。

「演じたいと思う役は共通して、少し欠落している人やどこか足りない人」

――まもなく最終回を迎える『大豆田とわ子と三人の元夫』ですが、CREA編集部でも「昨日、見た⁉」から話が始まるほど、ホットなドラマです。反響は肌で感じていますか?

 へえ~、そうなんですね。今の時期、あまり人にも会っていないので、正直、僕はそこまでわかっていないんですよ(苦笑)。

 ただ、ドラマチームに会うと、「昨日の角田(晃広)さん、素晴らしかったですよ!」とか、「いや、泣いちゃったな~」とか話したりはします。

 同業者の方からも、すごく連絡をいただいていて、「面白いね」と言ってくださるので、それで安心して「明日も頑張ろう!」みたいな感じで(笑)。

――ちらっと検索してみたりも、されないんですか?

 ああ、全然ないです。……でも「なんか良かったよ」と言われたら、確かに嬉しいですよね(笑)。

 ドラマの慎森も、今度やる舞台『物語なき、この世界。』の菅原裕一も、ちょっと欠落している役なんです。僕は、そういう役に愛着が湧くんですよね。どこか欠けている役だと、行動や言葉の意味をより理解しやすいというか、なんか惹かれるんです。

――中村慎森、菅原裕一しかり、まもなく公開される映画『Arc アーク』の天音、前クールドラマ『書けないッ!?』の八神隼人、昨年公開の映画『星の子』の南先生など、岡田さんが近年演じている役はどこか欠落していると言いますか、一筋縄ではいかない印象です。

 そうですね(笑)。基準が、なんかあるんでしょうね。基本的には物語もですけど、演じたいと思う役は共通して、少し欠落している人やどこか足りない人。そういう人のほうが、やっぱり面白おかしくて、好きなんです。

 台本を読むと、まっとうな人間が多かったりしますけど、まっとうな人間なんて意外にいないじゃないですか。……僕もそうだからかな(笑)? 足りない部分があると、すごく惹かれるというか、人間らしく感じるんです。

――今お忙しいとは思うのですが、気晴らしや息抜きなど、自分の時間にあえてしていること、何かありますか?

 「モンスターハンターライズ」というゲームがあるんですけど、僕、かなり前のプレステのときからやってるんです。

――熟練者ですね。

 すごい好きで。今ドラマもやっていて、これから舞台も入るから台詞を覚えないといけないので、モンハンをやらないようにしてたんですけど……昨日、ついにダウンロードしてしまって(笑)。

 今回、新たにお供する仲間のモンスターがいるんですけど、その名前を、ドラマの役名の“しんしん”にしたんです(笑)。そうしたら、しんしんが、いろいろなところに連れて行ってくれたり、活躍してくれて、すごく楽しくて! またとっても愛着が湧いた、という話なんですけど……。昨日すごい癒やされて寝ました(笑)。

――『大豆田とわ子』が終わっても、ずっとしんしんちゃんと一緒ですね(笑)。

 そういうことになります(笑)。昨日気付いたんですけど、違うゲームをやっていても、そのときにやっている役に関わるような名前をつけているんですよね。愛着が湧いたり、癒やされたりしているんでしょうね。

2021.06.15(火)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=TAKURO
ヘアメイク=小林麗子(do:t)