『シーズン2』撮影時の珠玉のエピソードをたっぷりご紹介!
「お待たせいたしました、お待たせしすぎたかもしれません」。
これは、山田孝之さんが『全裸監督』シリーズで演じた主人公・村西とおるの決め台詞。
多くの人間が『全裸監督 シーズン2』の製作&配信決定のニュースを聞きつけて以降、配信となるその日を「お待たせしすぎ」ていたが、2021年6月24日(木)からついにNetflixで全世界同時配信。日本が、世界が、また村西イズムを浴びるときがきた。
バブル景気に沸く1980年代の日本を舞台に、村西が波乱に満ちたアダルト業界でのし上がっていく姿を虚実交えて活写した『シーズン1』から、舞台は1990年代に。新たな物語では、「空からエロを降らせる」と豪語し衛星放送事業に商機を見出すも、やがて時代から見捨てられていく村西の孤独と失墜が容赦なく映される。
役と同化したかのように、村西を体に溶け込ませた山田さんに、『シーズン2』撮影時における珠玉のエピソードや、表現者としての喜びについて、語ってもらった。
(世界が)ちゃんと楽しめるレベルのものを、日本人が作れている
――『全裸監督 シーズン1』製作の背景には、「実力が世界からどう見られるか知ってみたかった」というお気持ちがあったそうですね。結果、大きな反響を得て『シーズン2』となりましたが、山田さんはどんな実感を持たれていますか?
そこまで、ないですよ。実感としては、ハワイやシンガポールに行ったときや、日本でも同じお店にいた欧米人の男性とか、いろいろなところで「Are you Netflix?」とは聞かれて。「ああ、まぁ、そうです」と言ったら、「オー! シーズン2! シーズン2‼」とすごく言われたので、「あ、大丈夫だったんだ、楽しめたんだ」と思いました。
画でもシナリオでも芝居でも、クオリティが低すぎると、そうはならないじゃないですか。ということは、ちゃんと楽しめるレベルのものを、日本人が作れてるんじゃん、じゃあみんな、自信を持ってどんどんやっていこうよ、という感じでした。
――『シーズン2』撮影において、山田さんはすぐに村西とおるに戻れたんですか?
多少の探りはありました。「声(の高低が)、どのへんだったっけ?」みたいな。けど、それは別に、過去に『勇者ヨシヒコ』や、『(闇金)ウシジマ(くん)』をやっていたときもそうだったから、「ああ、ここか? ここでしたね!(※村西の声で)」という感じでした。
あとは『シーズン1』のときよりも太っていたかったので、身体作りはやりましたね。前回はお腹周りはやっていなくて、胸や肩とかをちょっとトレーニングしながら、いっぱい食べて脂肪をつける感じだったんですよ。それで8キロ太っていたんですけど、今回はトレーニングを一切してません。脂肪だけで10キロいった感じでした。
その理由は、村西が年齢を重ねているという時間の経過を出して、あとは調子に乗ってんなというので、身体にダラケが出ているように。
――わざとわがままボディに、みたいなことですね。
『シーズン1』のときは、ガンガン自分で出演していたけど、『シーズン2』ではしなくなっていくので、そういった部分でも身体を使わなくなってきているんです。そういう風にもなっていくよなあ、みたいな感じでやりました。
2021.06.22(火)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=五月桃(ROOSTER)
ヘアメイク=灯(ROOSTER)