「いとおしくてたまらないですね! 守らねば、という思いが強くなります」

――今、お忙しいと思いますが、1日のお世話のルーティンはどういうものですか?

 夜中は仕事がないので、家に帰ってお掃除をしてお水と餌をかえます。

 その時、ケージから出てくるので遊んで、体重を測ったり、体をチェックしたりするんです。体調の変化は匂いとお尻の汚れ、体重の変化でわかりますからね。

 体重測定は体重計にご飯をのせて食べている間に測って、毎日記録もしています。本当はする必要がないんですけど、昨日と比べてどうなのかを把握しておきたくて。

 キンクマは130g前後がベストなんですけど、ほとんど変化はないです。一度、おやつをあげすぎて140gになった時は、餌をペレットに絞って整えました。

 食事は1日1回、餌箱に入れるだけ。それ以上入れると、持ち帰った餌で巣箱を汚して寝辛くさせてしまうんですよ。巣箱の掃除は3日に1回程度。毎日、匂いが変わるのもストレスになるので、気をつけてますね。

うちの子ベストショット③

――徹底した管理ですね。

 繊細ですからね。猫って吐いたとしても、毛玉だから大丈夫、とかあるじゃないですか。(ハムスターを飼うようになって)改めてそういう飼い主の対応を見て、え、大丈夫? そんなに大雑把に扱っていいのっていう気持ちになるっていうか。

 ハムスターってちっちゃいからこそ、ちょっとしたことが大事になるのでむしろめちゃくちゃ気を使わないといけないんですよね。

 寿命っていうのは6~8割が遺伝で決まってるのかもしれないですけど、栄養やストレスも影響するだろうから、1日でも長く一緒にいるためにいろんなことを考えてます。

――すごく真摯に向き合ってますね。

 適当に飼って4歳まで生きましたっていう人もいるし、個体差もあるのはもちろんわかってます。

 僕は最長記録を狙っているわけではないし、いつ死ぬかもわからないですけど、(はむはむにとって)嫌なことが何もない状態にしておきたいからやっていることなんです。

――ちなみに、はむはむという名前の由来は?

 テレビに出すつもりがなくなったというか、自分のために飼う大事な存在となった時に、自分が一番愛せる名前をつけました。

 最初は活動のツールにもなれば、くらいの気持ちだったんですけど、飼うと決めた瞬間からその気持ちは一切なくなりましたからね。

――日々、愛情をもって接していらっしゃいますが、はむはむのどんなところが好きですか。

 ハムスター全般の行動として、回し車は走り続けない。1分くらい走ったら周りを見渡したり、回し車から降りてキョロキョロしたりするっていうのがあるんですよ。

 なんでこんなことをするんだろうと思って調べてみたら、どこまで進んだかを確認しているらしいとわかって……バカだなぁ! 本当にかわいいなぁ! って思いましたね(笑)。

 もう1つ、さっきも言ったように小屋の中に自分が運び込んだペレットを貯めていくんですけど、ある時、小屋を歯か何かで動かして隠してたペレットが出てきたことがあったんです。

 そうしたら、自分が運んだことなんてすっかり忘れて頬袋に入れて、部屋の中にまた持って入っていったんですよ。それ、お前が前に運んだやつだからな? って。

――はむはむは新しい餌を見つけたと思ってるわけですね(笑)。

 そうなんです。いや、それもお前が前に入れたやつなんだよって。そういうところも、めちゃくちゃかわいいですよね。

 日中は小屋の中に入ってて姿があまり見えないんですけど、時々カリカリっていう音が聞こえてくるんです。要は小屋の中で食ってるんですけど、しばらくすると聞こえなくなるんです。

 ということは、こいつ、寝ててふと目覚めて目の前にご飯があったから食って、また寝てるんだなと思うと……いとおしくてたまらないですね! 守らねば、という思いが強くなります。

2021.05.05(水)
文=高本亜紀
撮影=佐藤 亘
写真=野田クリスタル