本間貴美子さん
お子さん:蒼大(そうだい)くん 2歳10カ月

株式会社ぱど マネージャー
仕事:子育てママ向け写真共有アプリ「まみふぉと」担当
ぱどIT商材「商売名人」の営業推進・サポートチーム
得意な家事:掃除・整理整頓、苦手な家事:料理

「弾ける笑顔」というのは、本間さんのためにある言葉かもしれない。高校大学を通じて、チアリーダーだったという本間さんの笑顔は、多少の不安など吹き飛ばしてくれるほどのパワーがある。

 そんな本間さんでも、育休復帰後すぐは、その笑顔が曇ることもしばしばだった。

 復帰した先は、産休に入る前にも長く携わっていたWebサービス「ぱど商売名人」を推進する部署だった。しかし、日進月歩のWebサービスや社内の環境など、様々な状況が変化しており、しばらくは「浦島状態」だったという。昨年11月、その部署に新しい課が立ち上がった。サービスの利用を始めたばかりのユーザーの声を聞き、スムーズに利用できるまでサポートを行うその課を、本間さんが任されることになり、部下もついた。立ち上げにやりがいを感じる一方で、ストレスも大きくなった。

 仕事を残して帰ることに対して負い目を感じてしまう。子どもをお風呂に入れながら仕事のことが気になったり、布団に入っても「あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ」と思い始めて寝られなくなる。

「今思うと、『ママだからできないよね』と周りに思われたくない。1日でも早く認められたいと頑張りすぎていました」と本間さん。そんなときに「お前は120%やろうとするから、辛くなる。80%の気持ちでやってごらん」と上司に言われて、初めて息がつける気がしたという。

江東区のショッピングセンターSUNAMOでのイベント。子どもの写真を撮影して、子ども免許証をプレゼント

 それからは自分ですべてを抱え込むことをやめ、サポートしてくれる周りの環境に感謝し、頼ることにした。

 部下には「先に帰るけど、メールは必ずチェックするし、何かあったら電話をちょうだいね」と伝えて、業務を任せて帰宅する。部下を信頼することで、逆に部下からも信頼され、結果的にチーム全体のパフォーマンスは上がっていった。

 部下が「いつも見てくれているという安心感があります」と言ってくれたことは、本間さんにとってひとつの大きな自信となった。以前は、目の前にある仕事をひたすらこなすだけだった。けれどもそれでは体がもたない。任せられることは人に任せ、信頼する。自分はテーマを絞り、先のことを見据えて動くことを心がけるようになった。

「まだまだうまくできなくて、そこがジレンマなんですが……」と、明るく笑い飛ばす余裕も生まれてきた。

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2013.05.16(木)
text&photographs:HITOMINA