藤原さんとの電話の後、思わず「いい先輩だなっ!」と1回叫びました
――ハタチから25歳の5年間の経験は、すごく大きいように思うんですが、この5年間のご自身の変化で言うと、どういうものがありましたか?
「もっとこんな風に演技をしていきたい」とかが出てくるようになったのは、でかい変化かもしれません。あとは、大人になっていくにつれて、環境の変化がすごく大きかった気がします。なので、仕事に対するスタンスが、5年という月日の中で少しずつ変わってきました。
僕自身は割と、ずっとフラットに生きてきたので、そこまでの(内面の)変化がない気もします。……まあ、ずっとこういう性格なので、もう少し人の気持ちを考えて動くというのを重要視して生きていきたいんですけど。
僕、本当にコミュニケーション能力がそこまで高くない人間なんだな、と実感する2020年だったんですよ。2020年は人と会わない分、余計にそう感じて。久々に誰かに会うと、「どんな風に会話しようか」、「会話、広げていくの、どうしようか」って。
――悩まれるんですね。2021年は、そこを少し打破していきたいようなお気持ちも?
そうなんです。最近の話で言うと、『てにあまる』(舞台)で共演した藤原竜也さんとのエピソードで……僕、恥ずかしくて、「ごはん、行きましょうよ」と自分からお誘いできず、連絡先も聞けなかったりして。
「藤原さんに、あんなにいろいろやっていただいたのに」と反省する気持ちもあったので、「やっぱり、ちゃんと連絡先を聞かなきゃ!」と思って、別口で聞かせていただいて、お電話しました。
――高杉さんから電話を? すごく行動力があるのでは!?
いや、行動力がなかったがゆえの、行動力が出たというパターンです(笑)。舞台の公演は自粛期間中だったので、食事とかにも行けなかったんです。舞台って、やっぱりみんなでごはんに行くのがすごく楽しいし、そこでいろいろなことを教えていただけるので。
行けなかったから、改めて「今度」というお話を、挨拶もかねてした感じでした。本当は、もっと前にできていたらよかったのに……。お話を聞きたいと思ったら、すぐ行動すべきだな、と実感しています。
――藤原さんは、高杉さんにとって魅力的な、憧れていらっしゃる俳優さんですか?
はい! すべてが「かっこいい」と思いました。お芝居はもちろん素敵なんですけど、華やかですし、周りのスタッフさんに対する気遣いもあって。先輩として、すごく魅力的でした。
舞台でも、台詞のやり取りがキレイすぎて……毎回感動していました。本当にさすがだなと思います。
――非常に漢気がありながら、分け隔てのない方という印象もあります。
そうですね。何て言うんですか、分け隔てがない以上に、なんか、壁を壊していくような方で。僕、そのお電話をさせていただいた後に、思わず「いい先輩だなっ!」と1回叫びましたもん!!
2021.04.20(火)
文=赤山恭子
撮影=平松市聖
スタイリスト=荒木大輔
ヘアメイク=堤紗也香