「とらや」がもたらした、フランス料理の斬新なアレンジ
あの「とらや」とのコラボについては、「例えば、あんことフランス料理の融合は、このレストランの目玉のひとつ。焼いたメレンゲを使ったバシュランという、Restaurant KEIのスペシャリテでもあるフランス菓子のデザートがあるんですが、仕上げにかけるソースやクリームなどにあんこが使われているのは、和洋折衷でおもしろいですね」と中村さん。
とらやとのコラボによって実現した、リーズナブルな価格
「とらや」とコラボすることで、料理に個性をもたらすだけではなく、別の利点もあると中村さんは話します。
「500年の歴史があるとらやさんと一緒に運営するのは、経営基盤としても安心です。一般的に設備投資をしたり、良質な食材を使ったりすれば、料理はそれなりの価格になると思いますが、メゾンケイのコース料理は、ランチが4皿3,500円からで、ディナーは4皿4,800円から。ミシュランの本場フランスで三つ星を獲得したシェフの店としては、ありえないほどリーズナブルですよね。そういう意味でも健全な経営体制のもとで実現したレストランだと言えます。今後のさらなる進化や成熟も楽しみですし、現地におけるレストラン文化の醸成という意味でも期待しています」
2021.03.31(水)
文=石川博也