「THE RAMPAGEになる前は、僕はもっとぐちゃぐちゃだった」(川村さん)

――赤い炎から青い炎に、非常に詩的な表現ですね。

川村 その表現、めちゃくちゃ面白いなと思いましたし、「確かに」とも思いました。RIKUさんは本当に身近な人ですし、昔からすごく見てくださっていて、いろいろなことを共にしてきたからこそ、思ってもらえる部分だとも思います。

 あくまでも自分の解釈ですけど、赤から青という真意としては、昔は……粗削りな部分も多かったというか、シンプルに「がむしゃらに!」という感じが先行していたんです。それこそ、成人していなかった10代の頃は特に。それでも年齢より上に見えるとは言われてきましたけど(笑)、自分的には子どもっぽいところもあると思っていて。

 例えば……THE RAMPAGEになる前は、もっとぐちゃぐちゃだったし、もっともっと荒々しい感じでした。今は逆に、そこをパフォーマンスとして生かせていると思うんです。抜け切っていないところが「赤」だったんですかね。

 いろいろな経験をさせていただく中で、自分の中では少しずつ研ぎ澄まされていったように思います。今のTHE RAMPAGEって、すごくスタイリッシュじゃないですか。

 ニューアルバム『REBOOT』のリード曲『SILVER RAIN』に関しても、洗練されてきたからこそできたと思っています。デビュー当時や以前のTHE RAMPAGEでは、たぶん出せなかったところなので、そういうのも似ていると思います。

 洗練されて、どんどん静かに、冷静に、人間的になってきているのかなって。……それを感じてくれたので、RIKUさんが赤から青という表現をしてくださったのかなと思います。

――奥深いお話です。そんな川村さんは、吉野さんのことをどう感じていますか?

川村 北人は同い年で、僕らは本当に「経験0」みたいなところからスタートしてきたふたり。いろいろなことを経験しながら、壁にぶち当たりながら、てこずって、同じような目線でずっと闘ってきた、仲間なんです。

 いろいろと見てはきましたけど、仲間として思うのは、北人はすごく強くなった。上から目線で言っているとかでは、全然ないです。デビュー前の2016年くらいは、心配になるくらいの繊細さがあったので。

 もちろん内に秘めているエネルギーは半端ないんですけど、表現するにあたって、てこずっているように僕からは見えました。けど、今の北人は、がんがん発揮して、表現していますから。3人とも、すごく成長したなと思います。

RIKU 壱馬が言っていた通り、北人はもともとやさしいから、なかなか自分をガッと前に出すことは少なかったんです。けどね、ある日を機に、的確なことをズバッと発信するようになった。例えば、会議をしていても、どんどん出てきたのがわかるんです。そういう北人の「揺らがない意志」みたいなものが、歌に出ているんですよね。すごく伝わってくると思っています。

 もともと本人が持っていたものではあるんだろうけど、THE RAMPAGEの北人としても、個人の吉野北人としても、どんどん発信できるようになったところが、見ていてすごく格好いいなと思う。メンバーとして、本当にリスペクトしています。もちろん、壱馬のことも。

 だからこそ、トライアングルのハーモニーが、自分たち自身、今、心地よくなって自信を持って3人で歌えるところにつながっているんじゃないかな、と思います。

吉野 確かに言われてみれば、考え方が変わった瞬間があったのは、そうです。それまでは、うーん……、自分の意見がなかったというか。

 「THE RAMPAGEはこうで、自分はTHE RAMPAGEの中でこういう色を放っていく」と、いろいろ考えていくうちに、自分の色というものが見えてきました。そこから変わり始めたのかな、というのはあります。

――吉野さんの色、強みとでも言うんでしょうか。ご自身では、どういうところと分析しますか?

吉野 THE RAMPAGEに、あまりいないキャラクターというところ。みんな個性的ではありますけど、その中でもひとつの色、他の15人が持っていない色を持っているとは思っています。

 自分は今、その色をより濃くするために、ひたすらやっている感じです。自分のよいところを伸ばして、THE RAMPAGEに還元していきたいと心がけています。

 そのために、個人としては今お芝居のほうもやらせてもらっているので、もっと露出をして、違う方面の方に知っていただく機会を増やしていきたいです。

2021.02.15(月)
文=赤山恭子
撮影=榎本麻美
動画撮影=松本輝一