「今こそエンタテインメントの力が必要だと信じています」(川村さん)

――コロナ以前/以降で、取り組む気持ちの角度がまた変わっていらしたんですね。

RIKU そうですね。当たり前が当たり前じゃない、というのを具体的な形としてくらったのが、2020年の我々でしたので。もちろん、以前も一生懸命やっていたんですけど、曲を作って、ライブができていた。それってただ事ではなかったんだな、と感じました。

 その経験によって、僕らの音楽観を表現する上でのすごく必要なマインドに達したと思っています。

川村 RIKUさんの、めっちゃいい話ですね……。

吉野 うん。

RIKU 恥ずかしいな(笑)。

川村 RIKUさんもお話しされたように、2020年にリリースしてきた楽曲は、特にその瞬間、瞬間に寄り添っていました。ニーズがあるかはわからないですけど、その瞬間だからこそ、意味のある楽曲をリリースしてきたと思っています。

 そして、2021年の今、『SILVER RAIN』というリード曲を新録して、『REBOOT』を発売させていただくことになりました。

 僕も「自分は何者なんだ?」と思う瞬間もありましたけど、その中で、僕ら以上に大変な人が多かったと思うんです。そういう方々にも、今こそエンタテインメントの力が必要だと信じています。「再起動」をかけて、気合いを入れてやっていくしかないな、というのが、このアルバムに対しての思いです。

吉野 本当に、2020年は誰もが予想しないような出来事が起きて、いろいろ大変な思いや悔しい思い、我慢しなきゃいけないことはいっぱいありました。けど、なんか……必要な時間でもあったのかな、と個人的には思っています。

 生きているだけで本当に幸せで、今までだったら感じられなかったような小さな幸せも、今だからこそ、感謝することにも気づけました。それに改めて、ファンの皆さまに支えていただいているな、と感じました。

 一番身近にいるメンバーに対しても同じで、16人で発信してきたことは、本当にかけがえのないものだったんだな、と感じる1年でした。悔しい思いをした分、得たものもたくさんあったというか。

 だから、少しでも音楽で、エンタテインメントで発信できればいいな、という思いで2020年は楽曲をリリースしてきました。

 2021年に「再起動」というテーマを掲げてやっていくので、僕らの音楽と一緒に乗り越えて、皆さんのエネルギーや力に少しでもなれればいいな、という思いをたくさん『SILVER RAIN』などの楽曲に込めています。僕らの思いが詰まっているので、受け取って感じてもらえる方がたくさんいれば、と願っています。

2021.02.15(月)
文=赤山恭子
撮影=榎本麻美
動画撮影=松本輝一