店主の森下さんとみーちゃんの出会い

 通りをてくてく歩くこと5分ほど。
 目的の「紫光庵」に到着。

赤い傘が目印

「こんにちはー」と店内に入ってみると、「いらっしゃいませ~!」と女性の店主が明るい声で出迎えてくれた。

 おぉ、いきなり畳にネコさまのお姿が……!

なんというフォトジェニックな空間

「みーちゃん、ご挨拶は?」
と、店主の森下美奈子さんが厨房から出てきてくださった。

「こにゃにゃちわ」

 本名みなみ(6歳/メス)。通称みーちゃん。

 名物の「みけねこもなか」とお抹茶(800円)をいただきながら、みーちゃんとの出会いを尋ねてみた。

ネコ型もなか! お茶碗もてぬぐいも全部ネコ柄
みーちゃんの毛色に合わせて、きなこあん、黒ごまあん、白あんの3種のあん入り

 みーちゃんとの出会いは、2004年12月にお店がオープンしてから1年半後のこと。
 近所で生まれたと思われる生後1カ月ほどの迷いネコが突然お店に現れたのだそう。

「雨に濡れたせいか鼻水が出て、体も汚れてひどい状態でした。私はネコを飼ったことがなく、特に関心もなかったんですけど、これは何とかしないと……と、商店街のみなさんやお客さんに助けてもらいながら、みーちゃんを飼うことにしたんです」

 と、森下さんは当時を振り返る。

とても人懐っこいみーちゃん

 みーちゃん、いいところにもらわれてよかったね……(泣)。

 みなみという名前の由来をたずねると、「私が美奈子なので、妹分でみなみです」
 とのこと。

 美奈子さんとみーちゃん、実にナイスコンビなのだ。

「みーちゃん、レスリングするんですよ」

 ん? 美奈子さんたら、いったい何をおっしゃっているのかしらと思っていると……。

「レス!」という号令とともに、試合が始まった!

ニャー!!! ネコパンチ!!!

 あれ、レスリングってパンチしていいんだっけ。
 (ダメです)

美奈子さんもすかさず応戦!

 はい、みーちゃんの負け~。

「……」

 おいしいもなかとお抹茶に、みーちゃんと遊び放題。
 美奈子さんのお話もとっても楽しく、充実したひと時であった。

長谷川町子美術館も、「紫光庵」からすぐですよ。

長谷川町子美術館

 桜新町は、これからが桜の見ごろ。
 特に、4月中旬あたりから咲き始める八重桜は圧巻。
 みーちゃんとお花見を楽しみに、ぜひおでかけを!

【みーちゃんがいるお店】
紫光庵

住所 東京都世田谷区桜新町1-25-25-1
勤務時間 いつもいる

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梅津有希子 (うめつ ゆきこ)
編集者・ライター。1976年北海道生まれ。ヤマハ勤務の後、FMラジオ局、編集プロダクションなどを経て、2005年に独立。女性誌や単行本、webを中心に、ペット、料理、美容など幅広いジャンルで活動中。「CREA cat」「CREA Dog」を毎号担当するほか、別冊マーガレットの『青空エール』(集英社/河原和音)の監修も務める。著書に『吾輩は看板猫である』『吾輩は看板猫である 東京下町篇』(文藝春秋)、『We are ブサかわねこ』(角川書店)、『終電ごはん』(幻冬舎)がある。
公式サイト:umetsuyukiko.com Twitter:@y_umetsu

Column

梅津有希子の商店街ネコ探訪

大人気のネコフォトブック『吾輩は看板猫である』、そしてその第2弾の『吾輩は看板猫である 東京下町篇』の著者、梅津有希子さんが、看板猫を探して、今度は商店街を巡ります。

2013.03.22(金)