郷土料理こそがイタリア料理の真髄!
イタリア各地方の郷土料理や、マンマが工夫して作った料理を研究している齊藤奈津子さんが、家でもできる簡単なイタリア料理をご紹介します。
カボチャの名産地「マントヴァ」のカボチャ料理とは?
イタリアの秋の旬の味覚のひとつに、日本同様にカボチャがあります!
イタリア語でカボチャは「ZUCCA(ズッカ)」と言い、地方などによって種類も色々とあります。
通常は煮たり焼いたりと、日本とあまり調理法は変わらないのですが、イタリアで最も出回っているカボチャは日本の物より水分が多いので、煮物よりオーブン焼きやパスタの具材などで使うことが多いです。
私もイタリアのカボチャで煮物を作って大失敗した思い出があり、パスタのソースにしてごまかしました。
イタリアでカボチャの名産地といえば、ミラノがあるロンバルディア州にある「マントヴァ」という小さな街。
3つの湖に囲まれた美しい街で、世界遺産にも登録されています。
カボチャの名産地なだけあって、カボチャを使った郷土料理も多くあります。その中で最も有名なのが「Tortelli di zucca カボチャのトルテッリ」。
カボチャの詰め物のパスタですが、マントヴァの特徴はアマレットという杏仁のリキュールと、モスタルダというりんごやイチジクなどの果物を、マスタード風味のシロップに浸けたジャムのような食べ物を入れます。
カボチャの甘みとモスタルダの複雑な味、そしてアマレットがアクセントになって、大人の甘さが引き立つパスタです。
私はこのパスタとこの地方のワインの組み合わせが大好きで、ついつい飲みすぎてしまうのですが、地元では赤の泡「ランブルスコ」や、白の泡「プロセッコ」などと合わせたりします。
マントヴァに行かれた際は是非、カボチャのトルテッリとワインを楽しんでみてください!
さて、今回ご紹介するのはカボチャのパスタ!
マントヴァ風とまではいきませんが、イタリアの家庭で気軽に作る簡単なレシピをご紹介します。
2020.11.25(水)
文&写真=齊藤奈津子
撮影=佐藤 亘