●演じるキャラのいちばん近くにいる存在に
――その「弱虫ペダル」では人気キャラである、箱根学園の真波山岳役を演じられました。
かなり体力を使うお芝居なうえ、とても重要な役なので、「自分にできるのか?」という不安はありました。でも、カンパニーのみなさんが手取り足取り教えてくださったこともあり、最初に思っていたほどのプレッシャーを感じることもなく、お芝居ができました。
――その後、19年に上演した舞台「K-RETURN OF KINGS-」では、それまで松田凌さんが演じていた主人公・伊佐那社役を引き継ぎます。
松田さんから役を引き継ぐことも、初めての座長公演ということも大きなプレッシャーでした。背負わなくていいものまで背負ってしまったようで、自分の中で空回りしてしまい、てんやわんやになった気もします。
でも、周りの方々に支えていただき、「次はもっとしっかりした座長を目指そう!」と思えるようになりました。
――人気漫画やキャラを原作とした2.5次元舞台をやられるうえで、杉山さんが心掛けていることは?
役をやらせていただくうえで、キャラクターを好きになり、いちばん近い存在でいようと心掛けています。
最初の頃はキャラクターに似せようと必死だったのですが、最近はそこばかり意識せず、自分の色を出せるように心掛けています。
板の上で、しっかりお芝居をしていれば、自然と役に近づけると思いますし。
●毎日のようにキスシーンがあった初主演映画
――今回、泉水役で主演を務められた『LOVE STAGE!!』も、人気コミックの映画化です。依頼を受けたときの率直な感想は?
あまり経験していない映像のお仕事ということが、率直に嬉しかったです。ただ、BLの世界観に初めて触れ、最初は驚きが大きかったですね。
でも、原作を読み進めていくうちに、純愛の部分が見えてきて、男女の恋愛と変わらないことに気付き始めました。そして、泉水役を任された以上「全身全霊で演じることで、観てくれる人にとって素敵な作品にしたい」と思いました。
――ちなみに、泉水は漫画研究会に所属するオタクな大学生ですが、杉山さんとの共通点は?
普段の僕はメガネをかけて髪の毛もボサボサですし、漫画好きで、暇さえあれば絵を描いたりして、オタク気質があるんです(笑)。なので、泉水というキャラは、素の自分に近いものがあると思いました。
ファンの方はこの映画を観ることで、私生活の僕を覗いているような感覚になるかもしれません。
――相手役の龍馬を演じられた仲田博喜さんとのキスシーンなどはいかがでしたか?
仲田さんとは初共演ですし、年齢も10歳ほど年上の方なので、ちょっと心配していたんです。お芝居の面では、カメラが回ってないときも、常に引っ張っていただきました。
「このシーンは、こんな感じにしない?」と話しかけていただき、まるで映画の中の龍馬と泉水のような関係性でした。毎日のようにキスシーンもありましたし(笑)、とても安心できる存在でした。
2020.10.09(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘