古事記に残る「天の岩戸」伝説の舞台

 もうひとつ、伊平屋島で訪れたいビーチは、島の北端にあるクマヤ海岸。トロピカルな印象の米崎海岸に比べ、こちらには野趣あふれる自然が広がっています。

 海岸の北部には県最大のクバ(ヤシの仲間のビロウ)の群生がびっしりと丘の斜面を覆いつくしています。その名も「クバ山」と呼ばれる、県指定天然記念物。

 琉球舞踊の踊り手がかぶるクバ笠は、この島のクバの葉を、この島の名人が編んだものが好まれているそうです。

 そして、クマヤ海岸にある「クマヤ洞窟(クマヤーガマ)」は、この島のハイライト。古事記に記されている天照大神の「天の岩戸」の伝説の舞台とされていま。

 実は「天の岩戸」の舞台とされるところは、高千穂など各地にあるのですが、その最南端が伊平屋島になります。

2020.06.20(土)
文・撮影=古関千恵子