漫画『夜王』のモデルにもなった
伝説のホストとは?
歌舞伎町のホストクラブに精通しているホス美さんがイチ押しのホストクラブだと言っていた通り、「TOP DANDY I-OS」は初心者にも安心のアットホームで和やか、かつ活気のあるいい店だ。
来店客の年齢層も20~60代と幅広く、女性客のみならず、口説きたい女性を連れてやってくる男性客も少なくないのだとか。
その道のプロであるホストの手を借りて意中の女性にアプローチする男性というのも面白いのだが、それはともかく、気になるのが店名の「I-OS」。
これは一体、何の略なのか。
答えは「I=イケてる」「O=おっさん」への「S=ステージ」。格好いいだけじゃない、薄っぺらくもない、「イケてるおっさん」を目指すホストたちが集うホストクラブ。
それが「TOP DANDY I-OS」なのだ。
ホストになれるのは18歳以上で、概ね28歳頃が辞め時なのだとか。そうした中でアイオスでは、30歳を超えたホストたちも現役で活躍している。
自ら「おっさん」の名を背負っているが、彼らを「おっさん」と呼ぶのはしかし、少々抵抗を覚えた。なぜなら、若手のホストにはない深い魅力を持っているホストばかりだからだ。
特に、2019年上半期のNo.1であり、漫画『夜王』のモデルにもなったという伝説的なホスト、流星(りゅうせい)さんは桁違いのキャリアとカリスマ性を持つ人物だった。
ホスト歴は25年。現在45歳の流星さんは、自身のキャッチコピーを「ドキドキと安心感」だと話してくれた。
ソフトな物腰に、穏やかな語り口調。エスコートのさり気ない動作もスマートで洗練されているのだが、笑顔は意外なほどに可愛らしい。
そして現在のアイオスの和やかな雰囲気は、流星さんあってこそのもの。
実績が数字として目に見えるホストという職業だけに、ホスト同士がギスギスしている店もあるらしい。しかしアイオスでは、そうした「自分以外は敵」という風潮が一切ない。
それは、「みんなで一緒に上がっていこう!」と流星さんが唱えているため。
アイオスは、ホスト同士も仲の良い、まるで大きな家族のようだ。
そんなアイオス一家の中核を担う流星さんだが、2020年3月にアイオスの2号店として「V(ファイブ)」という名の自身のホストクラブをオープンする予定だという。
店名の由来は、オープン予定の新店が彼にとって“5段階目のフェーズ”だから。
20歳でホストの世界に足を踏み入れ、経営者としての挑戦と失敗を経て40歳で現役ホストとして復活、年間No.1を獲得しての今。5段階目の挑戦になる新店は、「過去の背景のある店にしたい」と流星さんは言う。
「挑戦して、失敗して傷ついて。そういう経験を持っている人は強い。諦めてしまう人も多いけれど、それでも諦め切れずにあがいているような経験値の高いホストたちと一緒に、新しい店を創っていくつもり」
ホストクラブというのは、“自分で稼いだお金を自分で使える人”が束の間の息抜きに訪れる場所。
「女性がもっと人生を楽しんだほうが、日本が明るくなる」と訴える流星さんだが、「初回のみの来店でも、店が活気づくから大歓迎!」だと話してくれた。
「毎日楽しくしているホストたちと、一緒に楽しく。夜のスパイスとして、ぜひ一度遊びに来てください」という流星さんも、初回来店時にお願いすれば席についてくれる。
ちょっとした瞬間にドキドキさせてくれて、なんでも受け止めてくれる安心感も与えてもらえる。
そんな優しくジェントルな流星さんに会いたいなら、2020年3月の新店オープンよりも前がオススメだ。
2019.12.31(火)
文=木間のどか
撮影=近藤健嗣、松本輝一
動画撮影・編集=松本輝一