#141 Pattaya Beach
パタヤビーチ(タイ)

山田詠美のエッセイに誘われて

パタヤビーチは色とりどりのパラソルと無数のボート、人々でカオスな状態。

 作家の山田詠美さんのエッセイ「あるリゾートのお楽しみ」で、パタヤビーチに興味を持ちました。

 「終わってしまった海辺のリゾートが好きだ」という書き出しから始まり、パタヤビーチの年越しパーティーで繰り広げられたエイミーズ・ワールド的“退廃の美味”が、実にかっこいいのです。

 それまでパタヤビーチについて、食指が動くことはなかったのですが、行ってみたいビーチに急上昇。とはいえ、行く機会はなかなか訪れず、エッセイを読んでから20年近い年月が経っていました。

約4キロ続くパタヤビーチ。北側のソイ・パタヤ1~4周辺は中国の団体客、中央付近は欧米のシニア層が多く、緩やかにエリア分けされているもよう。
ザ・歓楽街、ウォーキングストリートの昼の風景。電線の量がすごい。

 バンコクの東南約165キロに位置するパタヤビーチは、1960年代に米軍の保養地として開発が始まり、タイの中でも長い歴史をもつビーチリゾートです。バンコクのスワンナプーム国際空港からエアポートバスで約2時間。運賃はたったの120バーツ(約417円)。

ピンクのライトで照らされたパタヤ・セカンド通りから、脇道のソイ3に入ったところのバービア。

 パタヤビーチに到着したのは夜が始まった頃で、街全体が浮き足立ちつつも、まだ助走程度。車が行き交うパタヤ・セカンド通りは、全体がほんわりとピンクのネオンで染まり、仮面をつけた女性たちの看板が艶めかしく誘っています。

 パタヤビーチを目指す多くの旅行者のお目当ては、“バービア”というカウンター上で女の子たちが踊るバー。でも、女一人旅では入る勇気がなかなか持てず……。道路から横目で店内をうかがうと、ほとんどが男性客ながら、小さい子供連れのファミリーも1、2組。行けるかな? でも一歩が踏み出せず、初日は断念。

2018.01.27(土)
文・撮影=古関千恵子