島に到着すると
ペリカンたちがお出迎え

 モートン島に上陸すると、まずはカモメやペリカンをはじめ、多くの鳥たちに迎えられます。この島では180種を超える鳥類が確認され、9~4月は何千もの渡り鳥たちが訪れるそう。

 ザトウクジラ(6~10月)やバンドウイルカ、ウミガメなど海洋生物は14種類、爬虫類は35種類、カエルは11種類もいるとか。自然の力で生まれた砂の島は、動植物たちの楽園でもあるのです。

 数あるアクティビティの中には、“砂の島”を体感できるメニューも。たとえば、ATV四輪バイクは砂地の上を太いタイヤのバギーを自ら運転します。

 デコボコの砂山を乗り越え、タイヤを砂にとられないようハンドルを切り、スリル満点。「絶対、横転しないから」と言われても、巨大な砂山に車体が大きく傾けば、ひやりとします。

 リゾート名の“タンガルーマ”とは、アボリジニの言葉で“魚の集まる場所”。2000年前からこの島に暮らす先住民のヌーギ族は、豊穣の海に暮らし、漁を主とする人々でした。

 そして、なんとイルカと協力して、漁を行うこともあったとか。

 その漁法は、こんな具合。

 ヌーギ族の男たちが海中へ音を立てないようにして入り、まず槍で水面を叩きます。この音を合図にイルカたちはやってきて、男たちのいる浅瀬に向かって魚の群れを追い込みます。

 そこを樹皮で編んだ網を使い、魚たちを一網打尽にするわけです。

 男たちはイルカに獲れた魚の一部を分け前として渡し、協力関係が成り立っていたのです。

2019.11.16(土)
文・撮影=古関千恵子