東西の国立美術館
充実のコレクション
『国立西洋美術館開館60周年記念
松方コレクション展』
美術館というのは本来、コレクションを形成して公開しつつ、人類の美の遺産を後世へ伝えていくという大事な役割を負っている存在です。
このたび東京と大阪の国立美術館が、充実のコレクションを惜しげなく披露する機会を設けています。これを機に日本の美術館の底力を感じてみたいところです。
東京の国立西洋美術館では、同館収蔵品の骨格を成す「松方コレクション」にスポットを当て、国内外に散逸した作品も含め構成された展覧会を開催。
20世紀初頭、松方幸次郎がロンドンやパリで買い集めた作品群のことで、ゴッホやモネらの名品がたっぷりなのです。
『国立西洋美術館開館60周年記念
松方コレクション展』
会場 国立西洋美術館(東京・上野)
会期 2019年6月11日~2019年9月23日
料金 一般 1,600円(税込)ほか
電話番号 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
https://artexhibition.jp/matsukata2019/
『コレクション特集展示
ジャコメッティと Ⅰ』
大阪の国立国際美術館では、20世紀を代表する彫刻家・画家ジャコメッティの特集展示が開かれています。
同館が収蔵するブロンズ彫刻《ヤナイハラⅠ》と油彩画《男》を中心に、国内他館からもジャコメッティ作品を集めました。
『コレクション特集展示
ジャコメッティと Ⅰ』
会場 国立国際美術館(大阪・中之島)
会期 開催中~2019年8月4日
料金 一般 430円(税込)ほか
電話番号 06-6447-4680
https://www.kyohaku.go.jp/
山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「文学ワイン会 本の音夜話」などの催しも主宰。近刊に『写真を読む夜』(誠文堂新光社)、電子書籍『写すひと』(コルク)。
https://twitter.com/reading_photo/
Column
山内宏泰のこの1枚に会いたい!
美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。
2019.07.02(火)
文=山内宏泰