ラベンダー料理のランチを楽しみ、ファームを散策

 高原でのアウトドアランチはここだけではない。アリイ・クラ・ラベンダー・ファームでは、ラベンダー畑でラベンダーを使った料理でのピクニックランチが楽しめる。ファームには約45種類のラベンダーの他に、クラ高原で栽培される世界的に珍しい花であるプロテアや、ハワイ固有植物などがある。知識豊かなガイドとともにツアーに参加し、代表的なヒーリング・ハーブのラベンダーを深く知ったり、ふらりとファームを散策するのもちょっとした探検気分でいい。

マウイ島の東ハナに近いナヒクという村出身のアリイ・チャンが、水をあまりたくさん使わずに育てることのできる、食用にも薬用にもなるヒーリング・ハーブに注目して始めたラベンダー・ファーム。「ファームはシェアするために」がモットーであった彼の精神は、いまも生きている
ファーマーズ・マーケットを楽しむコツは、マーケットが始まる時間に行くこと。大人気の新鮮な卵を売るブースなどはオープン15分後には売り切れだ。焼きたてのパンと挽きたてのオーガニックコーヒーを目当てに、朝ご飯をマーケットで食べるつもりで早起きしよう

 ファームにはラベンダー入りのスコーンやコーヒー、レモネードなどを楽しめるカフェがあるほか、一度使ったら手放せないというスキンケアアイテムを販売するショップも。ファームで働くスタッフのために作られ、人気アイテムとなっているのは、ラベンダーの配合されたリッチなボディケアアイテム。足や手などの乾燥しがちな皮膚に効き目があり、なんといっても香りがいい。しかし、ラベンダーは香りだけではないことを証明するのが、ラベンダーやその他のハーブで作られたクッキングソルトやドレッシング。買い物だけに訪れる人が多いのもうなずける。

 旅の醍醐味の食。レストランでシェフの腕を堪能したあとは、素材に会いに行き、味わってみるのが一番。マウイの野菜、果物、魚にまとめて出会えるのはクラのアップカントリー・ファーマーズ・マーケットだ。輸入品を販売する名目だけのファーマーズ・マーケットもあるなか、小さいながらも地元で安全な食材にこだわるこのマーケットは貴重な存在。自分の家で採れた果物や野菜と交換するお客さんも多く、毎週土曜日の朝、クラ高原のマーケットは活気で満ちる。

 半神マウイの捕まえた太陽は、たくさんの恵みをもたらした。食べることは生きること。マウイ島のハレアカラーの頂上から裾野までの旅はそんなことを教えてくれるに違いない。

Ali'i Kula Lavender Farm (アリイ・クラ・ラベンダー・ファーム)
住所 1100 Waipoli Road Kula, HI 96790
電話番号 +1-808-878-3004
営業時間 ファーム営業時間は9:00~16:00、ガイドツアーは毎日催行9:30、10:30、11:30、13:00、14:30(各約40分)
入場料 3ドル、12歳以下無料/ガイドツアーは大人1人12ドル、予約した場合は10ドル/ピクニックランチは1人20ドル、24時間前までに要予約
定休日 サンクスギビングデー、クリスマスデーは閉園
URL www.aklmaui.com

Upcountry Farmer's Market (アップカントリー・ファーマーズ・マーケット)
住所 Kulamalu Town Center 55 Kiopaa Street Pukalani, HI 96768
営業時間 毎週土曜日7:00から12:00
URL www.upcountryfarmersmarket.com

神宮寺 愛 (じんぐうじ あい)
ライター・コーディネーター・通訳/翻訳(英語・ハワイ語)、フラダンサー。
出版社退職後に渡米、マウイ島在住11年。五感、六感のおもむくまま、食べること、踊ること、11歳の愛娘に夢中な毎日。著書『心と体がピュアになるハワイアンな暮らし』(青春出版社)、雑誌『アロハエクスプレス』連載エッセイ執筆中。ブログ『愛しいカンケイ』

協力:ハワイ州政府観光局
公式サイト www.gohawaii.jp
Facebook www.facebook.com/discover.aloha

Column

4つの島の個性を知る旅。もっと行きたくなるハワイ【マウイ島】

マウイ島在住11年、ライター・コーディネーター・通訳でありフラダンサーでもある神宮寺 愛さんが、マウイ島の文化、おいしいもの、自然を満喫できるアクティビティーなどを紹介します。

2012.10.26(金)