生産者がぐっと身近になってきたハワイの食事情。最初は数軒から始めたというファーマーズ・マーケットの草分け的存在、カピオラニ・コミュニティ・カレッジの駐車場での「KCCファーマーズ・マーケット」は、毎土曜日、身動きできないほどの人出で、うれしい悲鳴をあげています。ほかにもアラモアナ、マノアなどいたるところで日々開催されています。そのため観光客が行きやすいのはもちろん、住んでいる人にとっては、いままで知らなかった地元のおいしいものを知り、手に入れられる機会が増えました。地元をサポートする経営で知られる全米チェーンのナチュラルスーパー「ホールフーズ」は今年、カイルアにオアフ2号店をオープン。地元生産者の顔写真を農産物の横に飾るなど、作り手を意識したディスプレイで購買意欲をくすぐります。
「地元のおいしいものを食べよう」という意識は、アラン・ウォン、ロイ・ヤマグチ、ジョージ・マブロサラシティス(通称シェフ・マブロ)、ピーター・メリマンなどのシェフによって高められました。1991年に、彼らによる、ハワイの食材を使って、ハワイを囲む太平洋の国々の調理法・スパイスなどを取り入れ、ハワイ独自の料理を創造するハワイ・リージョナル・キュイジーヌが、大変な人気となったことに大きな影響を受けています。
彼らをはじめ、ハワイで活躍する一流シェフたちが作る料理の存在感は特別です。味付け、プレゼンテーションなど、新しい料理のアイデアを表現する中で、世界各国から来る人たちにハワイの食材の良さを知ってもらおうと、メニューにも産地を表記して生産者と協力しながら、ハワイの食シーンをもり立てています。
2012.10.16(火)