マウイ島のノースショア、ハイクの町に降る雨、「Haiku Rain」は、美しい雨を表現する語として使われる。雨の音が小刻みに聞こえる夜、シャワーのような通り雨、清々しい雨の香り、雨が洗い流したあとの植物の煌めき、雨のあとに大空にかかる180度の虹、雨に関わる美への想いが「Haiku Rain」なのだ。

広々としたラナイ、ほぼ全面が窓のリビングルームとダイニングルームからは庭の緑が鮮やかに見える。コーヒーを片手にラナイへ。樹齢100年ほどであろう木が数本ある庭は落ち着いた趣だ

 木々に残ったしずくを感じながら、ハイク特有の青々とした空気のなか、ハイク・プランテーション・インのドアをくぐると、木漏れ日のさす静かなリビングルーム。誰かがさっきまでそこで朝食後のおしゃべりを楽しんでいた気配がする。

ダイニングテーブルは2カ所、ソファやコーヒーテーブル、サイドテーブルもあるので、朝食を食べる場所も自分のチョイスで

「今日は波がいいから、サーフィンにでかけたのかな」「ヨガのクラスに参加しているのかしら」と思いめぐらせていると、オーナーのサンディがニコニコとやってきて、各客室用に手作りをしている石けんを見せてくれた。敏感肌の息子のために作りはじめた無添加の石けんはゲストに人気だ。

左:玄関に立つオーナーのサンディは明るくほがらか。555番地のサインは昔のままにしてあるそうだ
右:ナチュラルなココナッツオイルなどを使った自然派ソープ。ハイビスカスの形のものにはハイビスカスを入れてみたりと試行錯誤しているとか

<次のページ> 「癒しの家」の庭はマウイで一番古い植物園