「Haiku Rain」の雨音を聞きながら眠り、虹を見ながら朝食を

「癒しの家」の庭はマウイで一番古い植物園

 若いころから旅行業界で働いていたサンディは、夫とともにこのベッド＆ブレックファストの経営をはじめた。ハイク・プランテーション・インの建物自体は1870年代にサトウキビやパイナップルのプランテーション産業が盛んだった時期、ドクターがクリニック兼自宅として建て、産業が途絶えたあとも、家族が1980年まで暮らしてたもの。

左：足ものばしてゆっくりできる最高の場所。この椅子のファンは多い。すぐ横にコーヒーや紅茶がいつでも飲めるように準備されている
右：各客室には広めのバスルームがあり、それぞれサンディが心をこめてインテリアをコーディネート。このバスルームはラベンダーカラーで統一され、ラベンダーの花をかかさない

 サンディは、「昔から癒しの家だったというのは、ゲストから感想を聞くと納得。私は旅のプロフェッショナルとしてキャリアを積んできたから、ベストは尽くすけれど、この土地と家のもつ癒しの力を尊敬している」と言う。

左：庭にはなんと池もあり、散策もあきることがない。池の周りを歩く散歩道を抜けるとヨガなどには最適の広々とした場所が
右：ボタニカルガーデン時代に植えられた、米国本土由来の珍しいチェリー「スリナムチェリー」。パパイア、マンゴー、バナナ、アボカド、レモンやライム、グレープフルーツまであり、美しいばかりでなく、美味しそうな庭だ

 庭はドクターが家を建てたときと時期を同じくして、ハワイ固有の植物や世界でも珍しいとされる熱帯植物が植えられ造園されたため、マウイで一番古い植物園と言われている。

 朝食はコンチネンタル・ブレックファスト。庭で採れる果物や近くの農家からの果物、ナッツや果物のたっぷり入ったマフィン、フレッシュフルーツジュースにマウイ産のコーヒーがテーブルにのぼる、雨上がりの虹を眺めながらの朝食は、最高の一日のはじまりを予感させる。

神宮寺 愛 (じんぐうじ あい)
ライター・コーディネーター・通訳／翻訳(英語・ハワイ語)、フラダンサー。
出版社退職後に渡米、マウイ島在住11年。五感、六感のおもむくまま、食べること、踊ること、11歳の愛娘に夢中な毎日。著書『心と体がピュアになるハワイアンな暮らし』(青春出版社)、雑誌『アロハエクスプレス』連載エッセイ執筆中。ブログ『愛しいカンケイ』