イケメン子役が
ぶつかった大きな壁
――10年、大河ドラマ「龍馬伝」で演じた福山雅治さん演じる坂本龍馬の少年時代役で一躍注目されますが、オーディションや撮影などで覚えていることはありますか?
最後の2人になってから、何度もオーディションしたことを覚えています。それでマネージャーさんから「龍馬役が決まりました」という電話がかかってきて、その夜は家族でお寿司を食べに行きました。台本読みのときにお会いした福山さんから「似てるね!」と声をかけていただいたことを覚えています。その後「怪物くん」にも出演させていただき、その頃は無邪気だったので、大野(智)さん、八嶋(智人)さん、上島(竜兵)さんに可愛がってもらい、ワキャワキャしていました(笑)。
――ちなみに、その年には『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』にも出演されます。
とにかく嬉しかったですね。でも、僕はまだ10歳ぐらいで、ウルトラマンに変身する役ではなく、あくまでも弟役でした。そのときに「もう変身できないかも?」「22、23歳ぐらいになったときに、またチャンスが来たらいいね!」と家族と話したことを覚えています。
――無邪気だった子役時代を経て、いろいろと経験してきたことで、壁にぶつかったことはありますか?
『ガッチャマン』に出演した後、中学生ぐらいになるとオーディションに行っても、なかなか通らず、とにかく悩んでいました。それで「なぜ、自分はこの仕事をやっているんだろう?」と思うようにもなりましたが、ある作品のオーディションを受けたときに、監督から「オーディションは最終的な合否だけではない。どれだけ自分のキャラを出せるか。相手の印象に残せるかだ」と言っていただいたんです。残念ながら、その作品には出演できませんでしたが、それ以来、自分の考え方が大きく変わり、前向きに頑張っていこうと思えるようになりました。
2019.03.22(金)
文=くれい響
写真=鈴木七絵