憧れのウルトラマンを
演じることで見えたもの

――その後、自身の転機となった作品を教えてください。

 やはり、念願のウルトラマンになれた「ウルトラマンジード」のTVシリーズです。しかも、16歳のときに、オーディションでなくオファーをいただき、ダブルで光栄でした。全25話、2017年の半年間の撮影が終わった後、全国のショッピングモールなどでショーをしに行かせていただいたんです。そして、子供たちを目の前にしたとき、キラキラした眼差しを感じ、今まで見えなかったいろんな風景が見えたんです。また、その場所で受けとった感動とともに、憧れ続けるウルトラマンを演じた濱田龍臣として、自覚を持っていかなくてはという覚悟もしました。

――ちなみに、そのショーでは濱田さん自身のアイデアも出されていたとか?

 自分自身、ずっとウルトラマンが大好きだったこともあり、昔のウルトラマンの話をしたり、ライブならではのことを楽しんでもらおうと思うようになりました。また、SNSでエゴサーチをしながら、それを基に次のイベントに反映するようなこともしました。そうやって、自分でも楽しみながら、お客さんにも楽しんでもらいたいと思っていました。

――子どもたちに声を掛けられると思いますが、放送終了から1年以上経っても影響力を感じることは?

 4歳の弟がいるんですが、幼稚園で使うためのウルトラマン柄の布を親と買いに行ったら、同じような年頃の子もそれを探していたという話を聞きました。弟が履いているジードの靴下を見た子が「あ、ジードだ!」と言ってきた話を聞いたりすると、たとえ放送が終わっても、永遠のヒーローなんだということを実感しました。

2019.03.22(金)
文=くれい響
写真=鈴木七絵