じんわりとお肌に効いていく
「寒干美人滞在」プログラム

 

 「星のや軽井沢」がある信州の冬は、夜間の気温はマイナス10度を下回ることもある。でも、寒さが厳しいからこそ昔から受け継がれる、女性にとって嬉しいものがある。

 それは、優れた栄養価から美容や健康にいいと注目されている、保存食だ。

 そんなこの土地ならではの冬の恵みを生かした期間限定(2019年2月28日まで)のプログラムが、「寒干美人滞在」だ。

 2泊3日の滞在中、寒天や干し野菜などの保存食をふんだんに使った食事や飲み物で身体に栄養を取り込み、温泉入浴や独自のスパプログラムを受ける。つまり、身体の内側と外側からのアプローチでキレイをめざすということ。

 外側からのアプローチは、保存食に発想を得た約120分のスパトリートメント。

 まずはオリジナルの粕玉ボウルで身体をじっくりと温める。温かさはさることながら、優しい日本的な香りがとても気持ちよく、いつの間にかウトウト……。

 リラックスをしたら、次はフェイシャル。源泉を浸したタオルでクレンジングをしてから、干し柿を作るときに出る柿の皮エキス配合の美容液を浸したローションパックを行う。

 これで冬の乾燥でくすんだお肌も、しっとりとツルツルに。柿は、高級ブランドの市田柿。なんて贅沢な……という気持ちも、心に栄養を与えているような気がする。

 スパに癒され、静かな環境でぐっすりと眠った翌朝は、目覚めに温かな甘酒を。甘酒といえば、昔から飲む点滴と言われるほどの元祖栄養ドリンク。さらに食物繊維たっぷりの寒天を溶かしてあるから、起きがけの一杯にちょうどいい。

 甘酒を飲んだら、おいしい朝食……の前に、温泉で温まったり、敷地内の木立の中にある茶屋で行われる「のびのび深呼吸」に参加したりするのもいい。お腹も空いてくるし、いっそう朝食がおいしくなる。

 朝食のお膳に並ぶのは、信州の保存食を使った料理の数々。

 干した野菜やきのこの出汁で炊いたお粥、高野豆腐とカブの味噌汁、寒干し大根の炊き合わせ、ひじき入りの卵焼き、寒天と水菜の酢の物など、どれも滋味深い。胃にもたれないのに、栄養価が高い朝ごはんが嬉しい。

 このプログラムの極めつけは、ゲスト専用の「メディテイションバス」で水着を着用して行う温泉アクティビティ。温泉の温熱作用や浮力を生かして、ストレッチやフローティングを行う。

 実感するのは、不思議な解放感と、終えた後もずっと続く身体の温かさ。これは癖になりそう。

 「寒干美人滞在」プログラムは、ラグジュアリーな雰囲気のスパや、盛りだくさんの豪華な料理とはまた違った、満足感を与えてくれる。ナチュラルなものに包まれると幸せな気持ちになれるのは、女性の特権なのかもしれない。

星のや軽井沢

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 0570-073-066(星のや総合予約)
https://hoshinoya.com/


軽井沢星野エリア

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 0267-45-5853
http://www.hoshino-area.jp/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

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2018.12.29(土)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵