■星野リゾート 界 松本 (前篇)
国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネスな旅」です。
この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。
建築美も存分に楽しめる
和モダンの温泉旅館
![心身を包み込むように温めてくれる浅間温泉。お殿様も愛した名湯は、現代の女性の心も癒す。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/-/img_46b581aafaf3a3c828e8f3f4847d97ff105011.jpg)
江戸時代に松本城主の湯殿が置かれていたという由緒正しき湯処、浅間温泉。当時、一帯には城主や武士の別邸が並び、「松本の奥座敷」として知られていた。時を経た今も、効能あらたかな名湯が、温泉好きを魅了する。
![温泉街のなかでひときわ目を引く、モダンと和が融合する建物が目印。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/3/-/img_f3614d33664f8ce97f09cc6557f08beb122833.jpg)
往時をしのばせる温泉街のなかで、存在感を放っているのが「星野リゾート 界 松本」。一見すると旅館とは思えないモダンな建物のなかには、ゆったりとした現代版湯治の時間が流れている。
![中庭に流れる滝の音を聞きながら、チェックイン手続きを。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/b/-/img_3b99cdf6a8b257f10ab3788f4e24996b137648.jpg)
エントランスから、白檀の香りが心地よく漂う小道のような廊下を歩いて館内へ。そこでは、教会のように天井が高い開放的なロビーに迎えられる。モダンと和が絶妙に融合するこの独特な空間も、この宿に泊まる醍醐味のひとつ。
![廊下には松本の工芸品が飾られ、美術館のような雰囲気。地元の漆器店とコラボレーションしたオリジナルのワイングラスの美しさにうっとり。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/-/img_509f736a9fbbbc90ee9ce97a8347d7a4113636.jpg)
信州産の濃厚なぶどうジュースで喉を潤し、まずはロビーでほっと一息。ここでの楽しみは温泉だけにあらず。音楽にワインに食と、バカンス気分もしっかり味わわせてくれる。
毎晩行われるロビーコンサートや、独自のプログラム「入浴指南」についての説明を受ければ、ますます滞在への期待が高まってくる。
![ご当地部屋の「オーディオクラフトルーム」。楽器を作成するための木材を贅沢に使用したスピーカーで音楽を楽しめる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/1/-/img_71827602584cc2a83cb2cb9624d8a245141401.jpg)
客室は26室のうち、15室が専用露天風呂付き。なかでも、リピーターの人気を集めているのが1日1組限定の「オーディオクラフトルーム」だ。
室内には木製のスピーカーや楽器をイメージしたオブジェなど、民芸の街として知られる松本らしい仕掛けが。さっそく用意されていたCDをかけてみると……、温かな音のシャワーが降り注いで、まるでホールで生演奏を聴いているかのよう!
![客室で温泉を楽しめる贅沢。見上げれば、澄み切った信州の青空が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/-/img_cecaa6ddcaf78a34aba174fb59b0f819155324.jpg)
庭の緑を眺める露天風呂と、湯上がりにのんびりとできるテラスもあるから、何時間でもこの部屋にこもっていたくなる。
このユニークかつ贅沢な部屋は、地域の特長的な文化を楽しむため、全国の「界」に用意されている、居心地のよさとその土地の個性を追求した「ご当地部屋」のひとつ。ここに泊まれば、五感も研ぎ澄まされそうだ。
2018.10.27(土)
文=芹澤和美
撮影=佐藤 亘