信州ワインとのマリアージュで
会席料理を味わう

 朝夕の食事は、完全個室の料理茶屋で。温泉旅館といえば和食。その王道を守りつつ、「界 松本」ならではの楽しみが、会席料理とワインのマリアージュだ。

 たんに和食と有名なワインをマッチングさせるだけではない。料理の食材もワインも同じ信州産というところが、食いしん坊とワイン好きの心をくすぐる。

 ワインリストに並ぶのは、近隣にあるワインの産地、桔梗ヶ原地域の11のワイナリーから選りすぐった約50種。どれにしようか迷ったら、料理に合わせて4種をペアリングするワインコース(3,800円)を。

 器や花を工夫したユニークな盛り付けにも驚かされる。食事中、「おいしい」だけでなく「きれい」を何度、連呼したことか。

 秋冬の楽しみといえば、ワインすき鍋。濃縮赤ワインを使った割り下で信州和牛と季節の野菜をいただく、ユニークかつゴージャスなすき焼きだ。

 適度な酸味と渋み、肉の臭みを消すキレ味は、ワインを使っているからこそ。濃厚を通り越して妖艶と言いたくなるまろやかさ! もちろん、アルコールは飛んでしまうので、お酒が苦手な人でもおいしくいただける。

 食べ終わったころには、信州ワインへの興味も増すはず。もっともっと知りたくなったら、ロビーの「信州WINE BAR」で飲むもよし、ワインを学ぶ「NAGANO WINE紀行」に参加するもよし。

 翌朝は信州味噌が香ばしい朴葉味噌をメインにした和食で、おいしい一日のスタートを。チェックアウトタイムの正午まで、ゆったりと朝風呂を楽しむのもいい。

星野リゾート 界 松本

所在地 長野県松本市浅間温泉1-31-1
電話番号 0570-073-011(界予約センター)
https://kai-ryokan.jp/matsumoto/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

Column

ウェルネスを極める 星野リゾートの旅

星野リゾートが今、特に力を入れているのが「ウェルネスな旅」。バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。

2018.10.27(土)
文=芹澤和美
撮影=佐藤 亘