劇団時代を経て
「舞台 弱虫ペダル」に抜擢

――翌08年には、所属事務所の劇団「演劇集団Z団」の弟分(ユニット)となる「演劇集団BB団」のメンバーとなりますが、舞台に立つことはいかがでしたか?

 映画の『GO』に憧れて、この世界に入ったので、その頃は自分がまさか舞台に立つとは思ってもいなかったですね。「BB団」ができる前は、先輩の「Z団」のアンサンブルキャストとして活動していました。「どうしたら、先輩たちに追いつくんだろう?」と考えることに精一杯で、がむしゃらでした。だから、緊張感はなかったです。今の方が緊張します(笑)。その後、「BB団」として、役をもらうわけですが、そこでやっとお芝居をする楽しさを知りました。でも、映像など個人をやりたいという考えがあり、メンバー各々が目指すものがバラバラだったので、ひとつの団体として考えた場合、方向性が違ったのかもしれません。

――10年の「BB団」解散後、新たに活動されるわけですが、12年~13年に上演され、東堂尽八役で注目を浴びた、舞台「弱虫ペダル」までの経緯を教えてください。

 いろんなオーディションを受けましたが、まったく受かりませんでした。最終まで行って、結局ダメというパターンが多く、悔し泣きばかりしていました(笑)。ただ「弱虫ペダル」は、オーディションではなかったんです。お話をいただいたとき、「弱虫ペダル」の舞台化は初めてでしたし、自転車レースをどうやって舞台で表現するのか、というところから始まっていたので、とにかく手探り状態でした。僕はアニメ化で、さらに人気作になる前の3作だけの出演だったのですが、いい経験をさせていただきました。

2018.11.23(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=泉脇崇(Lomalia)
衣装=瓢子ちあき