子どもが泣きやむ
Joyfulなメロディー
この興奮をどう書けばよいのか。思いあぐねているうちに時は過ぎ、彼らは私を置き去りにしてサッサと人気者になっていった。今では中年層はもちろんティーンネイジャーのハートもガッチリ。大人も子どもも共感の好きっ好きっPower大爆発である。
知り合いの3歳のチビッ子ちゃんなどは、「アメリカ! アメリカ!」とこの曲をおねだりし、サビの「カモンベイビー・アメリカ!」を聴くだけで愚図りがピタリと止まるのだそうだ。それどころか、今では「アメリカのトランプ大統領が……」というニュースにすら反応するというではないか。
彼女以外にも「U.S.A.」に助けられたというママさんは多く、今じゃ保育園でこの曲が流れているそうな。
本当にベイビーがカモンしてしまった「U.S.A.」。こんなにストレートに歌詞が効力を発揮した曲が他にあるだろうか。
赤ちゃんがピタリと泣き止むとして有名な曲としては、ピアノ買取専門の「タケモトピアノ」のCM(関西・中部ローカル)がよく知られている。財津一郎が歌う「ピアノ売ってぇーちょうだい~♪」のメロディーが幼子の愚図り泣きに効くらしい。
これは財津一郎の声の周波数が関係している云々、という説があるが、私は彼の青空のようなハイテンションも大いに関係していると信じている。
このままだとなにやら話が財津一郎に逸れていきそうなので、次は「U.S.A.」と「合いの手」の関係について語らせていただくことにしよう。
2018.09.26(水)
文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋