忘年会の演目として考えているなら
今からレッスンを
「U.S.A.」のすごいところは、ナウいメロディーに懐かしワード満載の歌詞、ワールドクラスのキレキレダンス、ISSAのイカしたシンガソンという奇跡的トータルの美。そこに加えてハロヲタにより開発されたという「合いの手」が融合した点にある。
「エル・オー・ブイ・イー・ラブリーISSA!」
ISSAもまさか40歳手前になって「ラブリー」と言われるとは想像もしていなかっただろう。
そもそもこの「エル・オー・ブイ・イー・ラブリー」コールの第一発案者は誰なのだろう。「LOVE」という綴りを解体し、間奏のリズムに乗せることで「愛してる」と訴え、「ラブリー」を追加することで「あなたには愛される価値があるから!」と歌い手さんに自信を与える2段構え。本当によくできたコールである!
この「U.S.A.」のヒットは、「合いの手ソング」を復活させるきっかけになる、とも予感している。実際、私はこれを聴いたあと、猛烈にアン・ルイスの「あゝ無情」、そして敏いとうとハッピー&ブルーの「星降る街角」が恋しくなった。嗚呼、「フワフワフワ!」と言いたい。「よるよるよるよる長い夜ッ!」と叫びたい……!
年末のカラオケではこれらの楽曲が争奪戦となるだろう。まちがいない。
しかし、「U.S.A.」には一つ難関がある。あのダンス。あれを軽く見てはいけない。
部分部分は真似できるが、本気でマスターしようとすると死ぬ。というのも、私自身、すでに秋の営業カラオケでの披露を視野に入れ、
「ハイッ足上げて飛んで飛んでいいねいいいねいいねッ」
と練習に励んでいるが、見るよりベリーベリーディフィカルト……。
1番を踊り終わった時点で動悸息切れで立てなくなり、思わず救心を手に取った。ビリーズブートキャンプどころじゃねぇわ(汗)。これ踊りながら歌ってるISSA、超人かよ!
2018.09.26(水)
文・撮影=田中 稲
写真=文藝春秋