ウェルネス・キュイジーヌは
さすがの美味

 食事にはビーチ沿いのタイ・レストランと、インドア席&テラス席のあるインターナショナル料理のレストランがある。

 プログラムによっては食事制限もあるのだが、指導に従うかはゲスト任せ。基本アルコールはNGだが、ワインとスパークリングワインを注文することはできる。

 私は高タンパクの1日1,200キロカロリーの食事プランを守り、アルコールも我慢、食事はおいしいし、量もけっこうあるので辛いことはなかった。ただ塩気を抑えた味つけなので、運動後の食事としてはちょっと物足りない。

 栄養コンサルテーションでそんな話をしたら、キッチンに話してくれて、塩気プラス。メニューによってはテーブルに塩を持ってきてくれることに(高血圧の人などはかないません)。

 こんな即応。きめ細かいサービスはさすが。世界中からセレブが訪れる所以だ。

 ちなみに食事に供される野菜はすべて、チバソムの菜園から採れるもの。チバソムには2つの菜園があって、山の滋味や海の潮風の恩恵を受けた野菜が採れる。

 20年以上もチバソムの料理をくふうしてきたシェフ・パイサーンは、いまやスパ・キュイジーヌの指導者だ。

「僕はマンダリン オリエンタル バンコクで、フレンチをつくっていたんです。チバソムに初めてきたとき、バターは使っちゃいけない! って……一体どうなることやらと思いました。でもここでは、滋味深い素材がいくらでも手に入りますからね。それらの味を生かした料理をつくればイイと、すぐに方向転換できました」

 チバソムでは、2つの菜園でオーガニックにこだわっているだけでなく、地元ホアヒンのマングローブを育てる保護センターを設立。そのほか地元や国に還元するさまざまな事業を行っている。

2018.07.10(火)
文・撮影=大沢さつき