女性ホルモンの減少が骨を脆くする
骨ケアこそ究極のエイジングケア
 
ちょっとだけ怖い話をしたいと思う。年齢とともに顔がたるむ……引力に従って、いわば自然に進んでいくこの変化はどうにも避けられない老化として、最も深刻なエイジングとされてきた。確かに、一度落ちてしまった肉を持ち上げ、肌を引き上げるのは容易じゃない。でも実は、もっともっと重大なたるみの原因が存在していたのだ。それが骨。顔面骨密度の低下である。
顔面骨密度? 骨がスカスカになって脆くなる骨密度の低下は知っていても、もっぱら体の骨で起きるもの、という認識だったはず。その結果、歳をとった時、背が小さくなっちゃうのは絶対にイヤ……というレベルの。ところが最近になってわかってきたのが、顔の骨もスカスカになること。同じ骨なのだから当然。でも顔はさすがにね、と顔だけ除外してきたが、実際は、顔の骨の方が複雑で繊細。縮小や変形は、体よりも早いというデータもあるくらい。
 
つまり骨が変形すれば、たるみが決定的になるという考え方。肌より肉より、まず骨のケアをという提案がにわかにクローズアップされてきたのだ。そもそも骨の老化は何かが起きてからでないとわからない。骨折して一体なぜ? と骨密度を測ったら、びっくりするほど低下が進んでいたというケースがほとんど。多くの人が50代60代にならないと骨を意識しないのだ。
ご存じのように、最大原因は女性ホルモンの減少。だから更年期に骨密度が一気に下がる。でも何もかも更年期になってから始めようという姿勢がいけない。骨の特性からいって、先回りして予防するのが何より重要。だから今から始めてほしい。日本人はカルシウム摂取量が少ないから骨密度ケアは、30代からでも早すぎることはないのだ。
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- 文=齋藤 薫
 撮影=釜谷洋史
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 CREA 2018年7月号
 ※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
 
               
            

 
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
               
               
               
               
                



 
                 
                 
                 
                 
                 
                