竹内力に認められ
『あしたのジョー』にも抜擢

――それで、22歳で上京されるわけですが、それまで演技経験はないわけですよね。

 芝居のことは分からないながらも、とび職のアルバイトなどをしながら、がむしゃらに舞台などをやっていると、それを観に来た監督に声をかけられるようになり、ちょっとずつ繋がっていった感じです。菅田俊さんを師匠と慕って、ずっとフリーでやっていたのですが、29歳のときに菅田さんと知り合いの竹内力さんに声をかけてもらい、力さんの事務所に入ったのが大きな転機になりました。

――その後、2011年に山下智久さん主演の『あしたのジョー』で、マンモス西役に抜擢されるわけですが、その経緯は?

 曽利文彦監督の前作だった『ICHI』に、力さんが出演されていたことで、僕も出ることになったんですが、その後も曽利監督が僕のことを覚えてくださっていたんです。それでオーディションに声をかけてくださったんですが、凄く嬉しかったですね。世の中の方に、勝矢という名前をおぼえてもらえるきっかけになった作品ですし、その直後には『テルマエ・ロマエ』のローマ人役で声がかかりました。

2018.05.18(金)
文=くれい響
撮影=松本輝一