マルエツで目にした驚きの名札とは
今回の一件以前にも、実は、一度スーパーでのアルバイトを志したことがある。マルエツのレジ担当者が胸につけていた名札を見て驚いたことがきっかけだ。そこには、姓名の上に小さく「ナイト」という肩書が記されていたのだ。
マルエツで働くと、ナイトとして叙勲され、サーの称号が与えられるのか! それなら俺、ウイークエンド・スーパー編集長より、むしろナイトと呼ばれたいよ! サーと自称したい。特に福原愛ちゃんから大声でサーと呼ばれたいよ! やるっきゃ騎士(ナイト)!
マルエツ閉店後の深夜の売場では、バイトの女子大生をめぐり、中世の甲冑に身を包んだ男性店員同士が剣を交えて決闘しているのだろうか……などと妄想を繰り広げながら、好奇心を包み隠すことができず、Tカードを差し出す手を少し震わせつつ、恐る恐る「ここで働けば俺もナイトになれますか?」と聞いてみた。
が、返ってきた答えは残酷なものだった。「ナイト」とは、単に夜間のシフトを意味するものでしかなかった。俺は間抜けなドン・キホーテだったことを自覚した。ドンドンドンドンキ、鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
俺の想像の翼はあえなくポキリと折られた。翼の折れたエンジェルだ。あるいは片翼だけの天使だ。
とにかく、ここまで読んだ内容はきれいさっぱりすべて忘れてもいいから、CREA4月号を買ってください!
ヤング(やんぐ)
CREA WEB編集長。本文中には盛り込めなかったが、元ヤング・マーブル・ジャイアンツのアリソン・スタットンらが結成した3人組ユニットの名前もウィークエンド。1982年に発表した唯一のアルバム『ラ・ヴァリエテ』は名盤である。そういえば、うっかり軽率な気持ちでツイッターを始めてしまったのでフォロー願います。
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Column
CREA WEB編集室だより
このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。
2018.04.02(月)
文・撮影=ヤング
写真=文藝春秋