江戸時代の絵画の「リアル」

円山応挙 鯉図 個人蔵

 外界をありのまま、リアルに写すのは、絵画における究極の目標の一つ。そのため西洋ではルネサンスの頃から、奥行きを生み出す遠近法や、立体感を表す陰影法が編み出され、そっくりに描く技術が進歩してきた。

 日本の絵画もリアルさは追い求めてきたけれど、手法や考えは西洋と大いに異なる。江戸時代の絵画から読み取れる「リアル」を捉え直すのがこの展覧会。

 円山応挙《鯉図》などの超絶技巧に酔いしれたい。

『リアル 最大の奇抜』
会場 府中市美術館(東京・府中)
会期 2018年3月10日(土)~5月6日(日)
※会期中展示替えあり
料金 一般 700円(税込)ほか 
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「写真を読む夜」「文学ワイン会 本の音」などの催しも主宰。新刊に『文学とワイン』(青幻舎)。
https://twitter.com/reading_photo

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2018.03.31(土)
文=山内宏泰

CREA 2018年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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