ひとつずつ丁寧に作る生ケーキ
村西さんが作る生ケーキをご紹介しましょう。
「パリ・ブレスト」は、1891年に開催されたパリとブレスト間を走る自転車レースを記念して作られたお菓子。自転車の車輪を模したリング型のシューが特徴で、フランスではよく知られたお菓子です。
村西さんは丸いシュー生地に、バターと自家製プラリネを使ったクリーム、キャラメルをサンド。まわりにはキャラメリゼしたアーモンドとヘーゼルナッツ。カリカリしたナッツの食感と香ばしさ、軽いシュー生地の食感とコクのあるクリーム、ほろ苦いキャラメル風味がポイントです。
右:「キャラメルのエクレア」360円。
「ピスタチオのミルフォイユ」は、自家製ピスタチオペーストで作った2種類のクリームを、サクサクのパイ生地にはさんでいます。香ばしいパイ生地の食感、ピスタチオの香りが口いっぱいに広がるリッチな味わいで、食べ応えがある一品。
「キャラメルのエクレア」は、大きなシュー生地の中にキャラメル風味のクリームがたっぷり。ほろ苦い大人のエクレアです。
右:「ショコラ」500円。
「ショコラ」は、ミルクチョコレートとダークチョコレートのムースを重ねた繊細で濃厚な味わいが特徴。サクサク食感のプラリネクリスティアンがアクセントです。
「洋なしのタルト」は、ひと口目で、スパイシーな胡椒の風味にびっくり。珍しいジャマイカ産の胡椒が洋梨のコンポートに使われていて、独特の香りが印象に残ります。さらに、洋梨はアーモンドクリームと一緒にタルトに焼き込んであり、タルト好き、洋梨好きにはたまらない逸品。
「ムラング・シャンティ ヌガー風味」は、あまりないメレンゲのお菓子。メレンゲの半球の中には、セミドライアプリコット、ヘーゼルナッツ、アーモンドのヌガチン、ピスタチオを入れたクリーム。それをたっぷりの生クリームで蓋しています。食べ進むと味が変化し、食感も色々で楽しい。
「ウサギのにんじんケーキ」は、ニンジンだけでなく、くるみとココナッツをたっぷり混ぜ込んで焼き上げてあります。レモンのきいたクリームチーズをかぶせてあり、さわやかで洗練された味わい。
「タルト・タタン」は、じっくり焼き込んだリンゴをさっくり焼いたパイ生地にたっぷりのせています。サワークリームと合わせた生クリームで、軽やかな後口に。
「モン・ブラン」は、ラム酒をきかせたフランス産のマロンペーストベースのクリーム、さっくり焼き上げたメレンゲ、ラム酒風味の生クリームで構成されています。コク深いマロンの味を堪能。
「フレジエ」は、濃厚なバタークリームとカスタードクリームを合わせたクレーム・ムースリーヌと苺をしっかりした生地ではさんだ絶妙なバランス。よくある「苺のショートケーキ」とはひと味違います。
食感、香り、味わい……。それぞれの複雑な組み合わせの妙に感動です。どれを食べてもフランスを感じることができる生ケーキ。どれを買って帰ろうか、迷ってしまいます。コーヒーか、フレーバーティーか……。合わせる飲み物も迷いそう。
2018.02.11(日)
文・撮影=そおだよおこ