JR阪和線の日根野駅から北へ徒歩約7分。白い壁の建物が、フランス菓子のお店「シャルル フレーデル」。店に入ると、フランスにある老舗の菓子店のように落ち着いた雰囲気。ケースの中には、美しい生ケーキが並び、様々なタルトもずらり。クッキーはもちろん、クロワッサンやペストリーも色々あります。フランス菓子好きには、たまらないお店。左手には1段高くなっているカフェスペースもあります。
店主・門前有(たもつ)さんは、1970年、大阪府・岬町生まれ。モノ作りが好きで、お菓子の道へ。製菓学校のフランス校を卒業後、東京の「オーボンヴュータン」などで修業し、渡仏。M.O.F.のジョエル・ノワイリ氏の元で働きます。
右:ショーケースにも棚にも、フランスのお菓子がいっぱい!
「フランボワーズやアプリコットが出回ったら、お菓子に使うピュレを1年分まとめて作る。パート・ダマンド(アーモンドの粉)もプラリネも手作り。フランスでは、それがあたりまえ。お菓子は手間を惜しまず、全てを手作りするものだと実感しました」。それを自ら、ずっと実践していると言います。「3カ月かけてフランス一周旅行もしました。その間、朝食も昼食もお菓子ばかり(笑)」。フランス各地の郷土菓子に現地で触れました。
帰国して、1998年に自店をオープン。「本場で知ったフランス菓子を、自分なりに解釈して作りたくて」と、門前さん。不便な立地であるにもかかわらず、店内は、フランスさながらのお菓子がずらりと並んでいて壮観です。
最も目を引くのが、ケースに並んだ様々なタルト。タルト好きにはたまりません。
「タルトはフランス菓子の基本。フランスではケースには入っていませんが、日本では品質保持のため入れています。20種類くらい並べたいんですが……」
右:「タルト・マロン」1,580円。
甘酸っぱい「タルト・アプリコ(杏)」、洋梨のコンポートがのった優しい味わいの「タルト・ポアール(洋梨)」、栗の渋皮煮とキャラメルのほろ苦さが好相性の「タルト・マロン」、木イチゴ、赤スグリ、ブルーベリーを使った「タルト・フリュイ・ルージュ」、黄プラムと紫プラムの色合いが美しいロレーヌ地方の「タルト・ミラベル・エ・クエッチェ」。木の実たっぷりの「タルト・ロトンヌ」は期間限定。
どれも、ボリュームもあってリーズナブル。紅茶を飲みながらゆっくり味わいたい。
2016.02.14(日)
文・撮影=そおだよおこ