スパイスとしょうゆの融合
このカレー、隠し味に加えているのは、日本のしょうゆ。じつは現地でも、カレーにしょうゆを加えるレシピがあり、けっして奇をてらったのではなく、これもちゃんとマレーシアの味。
また、多種のスパイスのなかで、もっとも重要なのは八角の香り。パウダーとホール(粒状)の両方を加えて強調し、ココナッツミルクの甘い香りと融合させる。これが、エキゾチックなカレーを印象づける源になっています。
さて、“2回め”のマレーシアカレーの方はぜひ、ご飯ではなくロティ・チャナイ(ディナーのみ提供)との組み合わせをおためしください。パイのような食感のロティ・チャナイは、カレーによく合うんです。
最後にもうひとつ、マレーシア流の裏技を教えましょう。マレーシア人が好むカレーのトッピングはずばり、サンバル。辛いカレーが好みなら、迷わずサンバルを追加注文し、小さじ1/2~1杯ほどご飯に混ぜてみてください。これがうまい! うまいんです! 辛みと同時に深みも増し、これはもう無敵のおいしさ。
スパイスの香り、鶏や野菜のうま味、そしてココナッツクリームの濃厚さ。その3つがぴたっとはまったバランスのいいチキンカレー。マレーシアに行かずとも日本でこんなにおいしいマレーシアカレーが食べられるなんて幸せだな~と毎回思わせてくれる味です。
Malay Kampung(マレーカンポン)
所在地 東京都中央区八丁堀1-4-8 森田ビル2F
電話番号 03-3537-6690
営業時間 月~金11:00~14:00、17:30~23:00(22:00LO) 、土12:00~14:00、17:30~22:30(21:30LO)
定休日 日祝 ※貸切の場合は営業
席数 30席
アクセス 日比谷線八丁堀駅から徒歩4分、東西線他茅場町駅から徒歩6分、東京駅八重洲中央口から徒歩10分
http://www.malaykampung.com/
マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編、『ナシレマッ!』(Malaysia Gohan kai)を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://malaysianfood.org/
Column
マレーシアごはん偏愛主義!
現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。
2018.02.15(木)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)