敷地内で牡蠣を
養殖するというこだわり

リゾートの敷地内にある牡蠣養殖場。水面には養殖いかだが浮かんでいる。

「フォーシーズンズリゾート フアラライ」では、敷地内でも食材を養殖している。牡蠣だ。ハーブや野菜を育てているリゾートは他にもあるが、なんと、ここでは牡蠣を養殖している。リゾートのアクティビティとして、養殖場を見学して、試食するというプログラムが用意されているのだ。

 レセプション前の車寄せからカートに乗り、溶岩に囲まれた小道を抜けて10分ほど。海のすぐ手前に入り組んだ地形の一角があった。すぐ後ろにはリゾートの建物があるのが見える。水面には養殖いかだが浮かんでいた。海水池は全部で14、そのうちのひとつは2001年に造られた人工池だ。

ここで稚貝を育ててから後の海に浮かぶいかだに吊す。養殖担当は、漁師のイメージとはほど遠い美女。
稚貝の入った生け簀には新鮮な海水が注がれている。

 水辺の手前には、屋根で守られた小さな生け簀があった。ここで砂粒のような稚貝を育ててからいかだに吊るすのだという。海が近く、常に新鮮な海水を取り込むことができるからこその養殖場だ。

 牡蠣の品種は、もともとハワイ島に生息しているパシフィック・オイスター。稚貝は6~9カ月でレストランに出荷している。他品種も将来的に養殖を計画しているという。

左は育ちすぎた牡蠣、中央は子供、右がレストランで使われる適正サイズ。

 この牡蠣養殖場は、軌道に乗せるまでには12年かかったという。2015年11月からレストランのメニューに載せることができる数を出荷できるようになり、現在では週に400個の牡蠣を供給している。課題は大きさを揃えることだそうだ。

見学した養殖場で育った牡蠣を、ビーチディナーの前菜としていただいた。

 リゾートに戻り、ビーチディナーの夕食時にその牡蠣をいただいた。さっぱりとしていてするりといただける、美味しい牡蠣に育っていた。養殖場を見てきただけに、よくぞ大きくなってくれたと愛おしさすら感じてしまった(笑)。

 波の音をBGMにいただく採れたての新鮮な牡蠣。ビーチディナーの始まりとして、この上なく美味しい前菜だった。

2018.01.23(火)
文・撮影=たかせ藍沙