ベトナム戦争とも関わりの深いビーチ
15年前にダナンへ訪れた時、リゾートはフラマリゾートダナンのみ。それが、今回訪れて、その変わりようにびっくり。
中部のリゾート地ランコーから車で向かったのですが、東南アジア最長の約6キロものハイバントンネルを抜けると、高層ビル群を遠くに望む大都会が待っていました。
記憶の間違い探しをするように、車窓に張り付いて今の風景に見入っていると、ドライバーさんが「前回来た時は、この道は整備されていなかったでしょ? まるで別の街でしょ?」。
ダナンの中心地に近いビーチは、ミーケービーチ。かつてフォーブス誌の「アトラクティブな世界のビーチ6選」のひとつに入ったことのある場所です。背後に建設中のビル群がそびえる、ゴールデンサンドのビーチには鉄筋の骨組みでシェードを作った日よけの下にビーチチェアがずらり。波とたわむれる海水浴客やサーファーの姿もあります。
かつて何かの報道番組でベトナム中部には“チャイナビーチ”という美しいビーチがあり、べトナム戦争中の兵士たちにとって激しい戦闘の合間に息抜きをする憩いの場だった、という話題を取り上げていました。
チャイナビーチ? 一体どこだろうと気にかかっていたのですが、実はミーケービーチから南下した、五行山近くのノンヌオックビーチだったと知りました。“チャイナビーチ”とは米兵たちが名付けたニックネームなのだとか。
チャイナビーチは、映画『地獄の黙示録』の劇中の、「ワルキューレの騎行」を爆音で流しながらヘリコプター部隊がサーフスポットの海辺の村を奇襲するシーンのロケ地。今ではサーフスポットとして、注目を集めています。
2017.11.18(土)
文=古関千恵子