ひと晩&ひと朝限りの
ポップアップレストランが黒磯に
「今、東京で最もヒップなレストランは?」という問いに、こぞって名が挙がるのは? そう、代々木八幡の「PATH(パス)」でしょう。
左:海外かと見紛う「PATH」の内装。右:渋谷「ビストロ ロジウラ」を手がける原太一さん(右)と、「トロワグロ」でアジア人初のシェフパティシエを務めた後藤裕一さん(左)。
オーナーは若き気鋭、シェフとパティシエのふたり。
ともに「ミシェル・トロワグロ」で修業した王道フレンチ出身ながら、カフェやストリートの匂いを感じるエッジの効いた表現力で、オープン後まもなくブレイク! トルネードのように渦巻く話題と、熱い眼差しを一身に集めています。
そんなPATHが、なんと栃木でひと晩&ひと朝限りのポップアップレストランを開く! という噂を聞き付け、駆け付けました。
もと家具店をリノベーションした、ひときわ目立つ大型施設。
今夏、タッと降り立ったのは黒磯駅、カフェ好きなら誰もが心焦がれる「CAFE SHOZO」とその系列店が集う聖地として、つとに知られる町。この通称“SHOZOストリート”に2015年、巨大な異分子が出現しました。
開放的な空間に、物販と飲食のスペースが有機的につながった1階。
約200坪という敷地内に、マルシェとダイニング、そしてゲストハウスが一体となったここ「chus(チャウス)」が、ポップアップレストランの会場です。
古材を使ったテーブルや椅子など、PATHの世界観とも近いインテリア。
一歩、中に踏み入れたとたん! 緊張とときめきの混ざったざわめきが、わっと耳にこだまします。厨房とホールを慌ただしく往来するスタッフ、めいめいに“らしさ”を忍ばせつつ、凛と待つ客たちのドレスアップ。それらが醸すある特別な空気感は、加えて、空間演出がもたらす力も大きいでしょう。
キャンドルは「AKARI CANDLE」、装花は「やぎや生花店」という地元のクリエイターたちがボランティアで参加したとか。
吹き抜けを大胆に使った宙吊りの樹々、間をめぐるようにあまた光るキャンドルの灯りは、胸を焦がす美しさ。
各テーブルにはお皿と、素朴な花を結わえたナプキンが。
さて、ディナーはお酒と料理のペアリングを楽しむコース仕立て。謎めく暗号のように食材名がただただ並ぶメニューが、かえってイマジネーションと期待を掻き立てます。
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- 文・撮影=山村光春
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