春ですねぇ。今回は、ぜひ、この季節におすすめしたい、塩野の春の生菓子(各350円)です。

 塩野は赤坂にある老舗の和菓子屋さんで、上等なお味と趣のあるお菓子作りにファンの多いお店です。

上から「花衣」「野辺の春」「土筆」、お菓子の名前からも和歌の心を感じます。日本人でよかった

 四季折々、毎月、いろんな種類のお菓子が並ぶのですが、待ち遠しいのは、やっぱり春。

 私が大好きな「花衣」。はんなりとやわらかい外郎で黄味餡を包んだお菓子です。花びらの形の雅なこと。薄紅色がはかなげで美しいこと。

 食べるのがもったいないわ、と言いつつ、パクッと食べると、まぁ~、夢のようなとろける味です。

「野辺の春」は、こし餡をきんとんで包んだもの。若草を思わせる色が、まさに野辺の春。冬のあんこのこっくりした味に対して、ほんのりした甘さが春らしく、和菓子の表現力に“まいりました”と言いたくなります。

 上用饅頭に土筆のもようをあしらった「土筆」も、しみじみ春を感じます。シンプルな饅頭ゆえに、塩野のお饅頭のおいしさが際立ちます。

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2012.03.28(水)