米の旨みを感じるどぶろくを
ソーダ割りと常温と熱燗で飲み比べ
たしかに中に入ったトマトをつまんでるだけでも充分な酒のアテになっちゃいそうですが、せっかく美味しそうなメニューが並んでるので、いくつか料理もいただいてみましょう。最初は「いわしの刺身」から。
「〈いわしの刺身〉は、脂がのってて美味しい! 日本酒と合いそうですね。私、あまり日本酒を呑み慣れてないんですけど、呑みやすいお酒はありますか?」
「生酛(きもと)造りという江戸時代から続く製法で作られた〈生酛のどぶ〉なんかは女性のお客さんにも評判いいですね。辛口のどぶろくなんですが、サラッとした飲み口で米の旨みも感じられる。お燗しても美味しいですし、ソーダで割っても美味しいですよ」(日高さん)
ということで、まずは「生酛のどぶ」をソーダ割りで呑んでみます。
「あ! 私、これ好きです! ぱっと見るとカルピスソーダみたいで日本酒とは思えないけど、さっぱりしてるから一瞬で呑み干しちゃいそう(笑)」
同じお酒を、次は常温で呑み比べ。おちょこでちびちびとやりながら、いわしの刺身もつまんで。そしてまた魚の脂を酒で洗い流すように呑んでみると……。
「常温のお酒は美味しいけどダイレクトにきますね。でも、お刺身と合わせると、また違った美味しさになる! なんか、すごく大人になってきた気分です」
今度は同じお酒を60度オーバーにつけた、熱々の燗酒で。
2017.10.13(金)
文=宮内 健
撮影=石川啓次