vol.07 RHYTHM & BETTERPRESS
2019年3月にはMotion Blue YOKOHAMAで、ちょっと大人なムードを感じさせる充実のワンマン・ライヴを成功させたばかりの、フィメール・シンガー脇田もなり。
お酒が大好き! だけど酒場ビギナーな彼女が東京近郊の名店を探訪しながら、立派な酒呑みレディへの階段を昇っていく連載「名酒場 IN THE CITY」。
第7回は、江東区森下にある一風変わった立ち飲み酒場へ。
![浜町と森下をつなぐ新大橋。ここから眺める隅田川の景色は最高!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/4/-/img_24b238e1f3fff2f3e7d4678dc0423eea115586.jpg)
今回、もなりさんが訪れたのは、森下の「RHYTHM & BETTERPRESS」。
隅田川に架かる新大橋にもほど近い、住宅街の真ん中に佇むこのお店。なんと日中は活版印刷の工場として稼働しているのが、日が暮れると立ち飲みにメタモルフォーゼするという、かなり珍しい営業形態の酒場なんです。
![もともと倉庫だった物件をリノベーション。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/-/img_6601af46e1235cad9a06e68d53a17156143990.jpg)
![ターンテーブルからは、スウィング、ソウル、レゲエ、カリブ音楽、70年代ポップスなどが流れる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/0/-/img_a0da504b2de051ff41b23852d8080188102238.jpg)
もともと印刷工場で働いていた店主の宍戸さんが、一緒に働いていた友人と独立して、2018年2月にオープン。3カ月前からは、宍戸祐樹さんが一人で工場と酒場を切り盛りしています。
「ここ、本当に印刷工場なんですか? レコードから素敵な音楽が流れてるし、お店の雰囲気もなんだかオシャレなカフェみたい……あっ、あの大きな機械が、活版印刷の印刷機なんですね! 初めて見た。ところで、活版印刷ってなんですか?」
![70年代後半に製造されたハイデルベルグの活版印刷機など、年季の入った機械が並ぶ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/-/img_abbc19b489f2a3c4a6187034fa3cfcf4191208.jpg)
えー、簡単に説明すると、 ハンコやスタンプと同じような原理で、凸状の鉛版に垂直の圧力をかけて印刷する、古くからの印刷技術。
ここでは主に名刺やハガキ、フライヤー、コースターなどの印刷を手がけているそうなんですが、ちょうど7インチのアナログレコードを入れるスリーブが刷り上がってますね。触ってみると表面が凸凹してません?
![鉛板で作られた版下にインクをのせ、プレスして印刷していく。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/-/img_4dbdb55a412954ceed4f197c3e916bd2198675.jpg)
![ドーナツ盤を入れるレコードスリーブ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/0/-/img_8070f4d01d2631bfba65fb587ad6958a128655.jpg)
「本当だ! 少し凸凹してて触感も面白い。デザインもいろんなのを作れて、どれもすごくかわいいですね。ちょっとインクの匂いも残る中で、印刷の機械に囲まれてお酒を飲めるなんて、なんか不思議な感じです」
![いろんな色のインク缶。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_6398eb1ceab972a3f6e5e4ed71e28e78143258.jpg)
2019.04.19(金)
文=宮内 健
撮影=丸尾和穂