対象年代の女性が抱えていた肌悩みとは?

対談の写真:左から佐野章子さん(研究開発所管)、佐藤実沙さん(商品開発チーム)、渡辺佳子さん(美容ジャーナリスト)

「でも、それだけでは、スックが対象としている30代、40代女性の肌悩みには応えられないんです!!」

 と佐藤さん。製品企画時、市場にある、あらゆる製品を使いつつ、パウダーファンデーションに関する使用調査を行った際に集まった回答が頭から離れなかったからだ。

「女性たちは、『乾燥』『崩れ』『カバー力が出ない』という3大理由で、パウダリーを全く使っていないか、使っていても不満を持って我慢していることがわかったのです。だから、乾燥させないけれど、崩れないものを絶対作ろうと、処方の調整を重ねていきました」

 だが相反する効果を持った処方の開発は壁に突き当たり、納得いくものがどうしてもできない。

「最終的に『処方が2つないと無理です~』と上司に泣きついたら、それなら2つの処方で1つにすれば、と言われ『え、それアリですか?』って目の前が開けました(笑)」

 そして上3分の2と下3分の1で、質感も色も違う変則2処方ファンデーションが生まれることに。

「顔の中でも、両目と口元を結んだ逆三角地帯に毛穴などの凹凸トラブルが多いので、カバーのためのソフトフォーカスパウダーを投入。同時に不必要な皮脂を吸着させる粉も配合して崩れを防止するのが上部分。顔の輪郭に使う目的で自然な肌に見えるよう透ける粉と保湿成分を配合したのが下部分です」

 下の色が若干濃いのは首の色との肌色差をなくすため、また輪郭をシメて見せ、小顔効果も狙う。

「ところがこれは、研究所にとっては2つのファンデーションを作る作業になるわけで、手間は2倍。試作品を恐らく200以上は作りましたね」と苦笑する佐野さん。

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2012.03.15(木)
text:Keiko Watanabe
photographs:Nanae Suzuki / Hirofumi Kamaya

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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一生もの美容

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