つけてる方が肌にいい、どころじゃない
つけているほど肌改善という時代
あまりにも疲れて帰ったので、メイクを落とさないで寝ちゃった……的な会話はよくかわされているけれど、自己申告しない人もたくさん。これは女にとってとても後ろめたい行動であるとともに、実はとてもよくある出来事。やっちゃったことがない人は、相当に几帳面である。
でもその一方で、こんな噂があるのを知っていただろうか? 実は、そのまま寝ちゃった日の方が、翌朝、肌の調子が良かったりすることがあるという……。
確かに昔のファンデーションは肌に負担を与え、毛穴が詰まったりして、ニキビの原因になったりした。でも時代は変わり、ファンデーションに多くの配慮がなされているのに加えて、何が何でも落とさなければという意識から、落としたは良いけれど、疲れて帰った夜のスキンケアが結構おろそかになったり、そもそも落とすこと自体にリスクがあるために、肌を乾かしている人が少なくないのだ。かくして、そのまま寝ちゃうファンデーションには“オーバーナイト ナチュラルマスク”なんていうニックネームをつけられていたほど。
そういう背景もあって、実はうっかり寝てしまっても、それほど大きな事故にならない時代になっているのは確か。そうこうするうちに、気がつけば事情が大きく変わっていた。ズバリ、寝化粧がひとつの静かなブームになっているのだ。
例えば、資生堂のスノービューティーは24時間つけっぱなしにできるおしろい、たかの友梨 エステファクト エッセンスパウダーは、あえて夜のために用意したい一品。おしろいでありながら、内容はスキンケアという製品は以前からあったものの、もっと一晩中キレイでいたいというニーズを受けて、本気の寝化粧アイテムが今、次々作られているのだ。
2017.08.28(月)
文=齋藤 薫
撮影=釜谷洋史