エレガンスのアイブロー史上最高傑作
一方、アイブロー史上の最高傑作とも言えるアイブローペンシルを開発、未だそれがロングセラーとして売れ続けているのがエレガンス。眉色を微妙な色合いで表現し、その色設計こそが実は眉作り成功の大きな鍵だったことを発見し、地味なアイブローでベスコスを総なめにしたのが、このエレガンスなのだ。
今シーズンは、その時の静かな衝撃を思い出させるように、リキッドアイブローを微妙な色合いでもう一度作り直している。
リキッドタイプのアイブローは形を作り変え、眉尻などを自然に美しく描くため、最近はマストアイテムとして注目を浴びているが、このリキッドタイプがまた非常に難しい。発色が濃すぎても薄すぎてもダメ。色味もやっぱり単純なブラウンやグレーではダメなのだ。そういう意味でも、エレガンスはやはり匠の技を見せてくれた。ちなみにエレガンスは、アイブローパウダーも失敗なく眉が描けることで評判を得ている。
なるほど、もともと優れたアイブローでこの市場に革命を巻き起こしたブランドは、眉作りに関して、何を作っても何度作ってもうまいのだ。やっぱり老舗の勝ち。ブランドの得意不得意って絶対にあって、その才能はまさに時代が変わっても変わらない。時代を超え、永遠のものなのである。
齋藤 薫 (さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『“一生美人”力』(朝日新聞出版)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。近著に『されど“男”は愛おしい』(講談社)がある。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2017.08.01(火)
文=齋藤 薫
撮影=釜谷洋史