使いこなせてない感満載の
オフィシャルサイトに萌える

緒形直人が主演を務めた1997年の東映作品『北京原人 Who are you?』は、邦画史に残るカルト作として記憶される。左から、プログラム、同マスコットシャープペン、同撮影用台本決定稿(すべてCREA WEB編集長私物)。

 近年テレビの露出度が多くなかったせいか、一部で「干された」疑惑もあったようだが、いやいや、待て待てぃ! ウィキペディアを見るとデビューから毎年コンスタントになにかしら出てらっしゃる。

 しかも単に作品選びに慎重といううわけではないらしい。その証拠に『北京原人 Who are you?』やアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の実写化『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(島大介役)といったリスキーな作品、さらには「探偵!ナイトスクープ」にも顧問として出演。チャレンジャー精神と懐の広さが窺えるではないか。

ぜひとも充実させず、このまま活動内容が確認できる程度で放置してほしい(緒形直人オフィシャルウェブサイトより)。

 オフィシャルサイトの「デジタル文化についていけず途中で断念」的な仕上がりも彼らしい。

 2017年7月上旬頃まで堂々と配置されていた「賀正」の画像。最も重要であるはずの「プロフィール」項目のリンク切れ(7月20日現在)。

 嗚呼、どこまでもイメージを裏切らない男、緒形直人……。永遠に不器用かつ実直であれ!

緒形直人オフィシャルウェブサイト
http://www.ogatanaoto.net/

未来の直人に思いをはせる

 さて、そんな彼はもう次回出演作が決まっておられる。2018年公開予定の岡田准一主演の映画『散り椿』。

 ああああと1年先? 待てるかいッ。すでに私の直人ロスは深刻。映画より前に、一刻も早い彼のドラマ出演を待つ。刑事ドラマならなお良し!

 『64 -ロクヨン-』のような役もいいが、彼の仏チックスマイルを愛でるならやはりデカ。「太陽にほえろ!」をこの手でリメイクできるなら、私は迷いなく彼を「落としの山さん」役に抜擢するだろうッ。

 いやいや、出過ぎるまい。愛なら静かに祈るもの(by「ORACIÓN -祈り-」)。陰ながら緒形直人を応援し続けることを誓い、最後はこの言葉で締めるとしよう。

 近い将来、私たちは多くの賞レースで緒形直人の姿を見ることになる。まちがいない!

田中 稲(たなか いね)
大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。現在は「関西ウォーカー」で“Kansai Walkerで振り返る! 00年代の関西”連載中。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2017.07.25(火)
文=田中 稲